研究課題/領域番号 |
63560082
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 文彦 京都大学, 農学部, 助手 (10127087)
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研究分担者 |
山田 康之 京都大学, 農学部, 教授 (50026415)
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キーワード | 光独立栄養培養細胞 / 葉緑体形質転換 / 除草剤(アトラジン)抵抗性 / 遺伝子組換え / エレクトロポ-レ-ション / 葉緑体遺伝子 / Dー1タンパク質 / 葉緑体変異株 |
研究概要 |
葉緑体遺伝子の形質転換系(直接的遺伝子導入系)の開発において不可欠の光独立栄養培養細胞からのプロトプラストの単離、培養条件を検討した。光独立栄養培養細胞株からのプロトプラストの単離は困難であったが、種々酵素条件を検討した結果、高濃度のCellulase R10、Macerozyem R10、Driselaseを用いることにより新鮮物重1gあたり約20万個のプロトプラストを得ることができた。さらにパ-コ-ルの密度勾配遠心により精製したプロトプラストを用い、培地中のグルコ-ス濃度と細胞密度を調整することにより10%のコロニ-形成率を得た。しかし、プロトプラストの収率がきわめて低いために形質転換条件の検討にはプロトプラスト調製の容易なin vitro培養タバコ苗を材料とし、GUS遺伝子を用いたトランジェントアッセイを行なった。その結果、昨年度検討した条件よりも長いパルス幅処理(1000V/cm、200μs)が遺伝子導入に必要であることが判明した。現在この条件にしたがい、光独立栄養培養細胞葉緑体の形質転換条件を検討している。またこの実験に平行して、葉緑体変異を持つ光独立栄養培養細胞株からの固体再生法を確立するために変異株プロトプラストと葉肉細胞プロトプラストの非対称細胞融合を行った。すなわち、アトラジン抵抗性光独立栄養細胞からのプロトプラストをガンマ線照射するとともに、葉肉プロトプラストをヨ-ドアセトアミド(IOA)で処理し、それぞれ単独での分裂増殖を抑制した。このような処理をしたプロトプラストを単独培養あるいは共存培養した場合には全くコロニ-が得られず、融合処理したものからのみコロニ-が得られた。得られたコロニ-を再分化培地に植え代え、アトラジンに対する抵抗性を試験してみたところ、融合処理由来のコロニ-からのみ再分化するものが得られている。今後この再分化植物体が変異葉緑体を持つか否か検討する予定である。
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