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1988 年度 実績報告書

新酵素ジアミノプロピオン酸アンモニアリアーゼを用いたアミノ酸合成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63560103
研究機関京都大学

研究代表者

長沢 透  京都大学, 農学部, 助手 (60115904)

研究分担者 清水 昌  京都大学, 農学部, 助手 (70093250)
和泉 好計  京都大学, 農学部, 助教授 (40026555)
キーワードジアミノプロピオン酸 / ジアミノプロピオン酸アンモニアリアーゼ / ピリドキサールリン酸 / α,βー脱離反応 / アミノ酸配列
研究概要

L-ジアミノプロピオン酸はビオマイシン、ブレオマイシン、エデイン等のペプチド系抗生物質の構成成分であることが知られている。我々はSalmonella typhimuriumがD型L型のジアミノプロピオン酸のα,βー脱離反応を触媒し、アンモニアとピルビン酸に分解する強力なジアミノプロピオン酸アンモニアリアーゼ活性を有することを見いだした。本酵素はDL-ジアミノプロピオン酸によって誘導生成される。本酵素を硫安分画、DEAE-セファセル、フェニルセファロース等のカラムクロマトグラフィーによって精製し、硫安を添加することによって結晶化させた。本酵素の分子量は約89000、2個のサブユニットからなる。本酵素は黄色を呈し413nmに極大吸収を示す。サブユニット当り1個のピリドキサールリン酸を含む。本酵素の基質特異性は狭く、D型、L型のジアシノプロピオン酸を最良の基質とする以外、ごく僅かにD型、L型セリンに作用するだけである。本酵素はDLの識別能力を欠く点を特徴とする。本精製酵素を用いて、ピルビン酸とアンモニアから逆反応によるジアミノプロピオン酸の合成を、またO-アセチルセリンやβークロロアラニンとアンモニアからβー置換反応によるジアミノプロピオン酸の合成を、それぞれ種々の条件で検討したが、合成活性は認められなかった。メチルアミン、エチルアミンなどのアルキルアミン類を添加し、ジアミノプロピオン酸類縁化合物の合成を検討したが、やはり活性は認められなかった。本酵素のピリドキサールリン酸結合部位のアミノ酸配列の決定を試みた。ピリドキサールリン酸と酵素のリジン残基とのシッフ塩基をNaBH_4で還元し、トリプシン:リジルエンドペプチダーゼによって限定加水分解を行い、ピリドキサールリン酸結合ペプタイドを高速液体クロマトグラフィにより単離した。アミノ酸配列を決定し、既知のB_6酵素のピリドキサルリン酸結合部位との配列を比較したが、類似した配列は認められなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Toru Nagasawa: Journal of Biological Chemistry. 263. 958-964 (1988)

  • [文献書誌] Toru Nagasawa: "Diaminopropionate Ammonia-lyase of Salmonella typhimurium Biochemistry of Vitamin B_6" Birkhauser Verlag, 229-232 (1987)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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