研究概要 |
1.抗生物質生産菌をスクリーニングした結果、4菌株(Streptomyces antibioticus,S.lincolnensis,S.griseus及びBacillus brevisがVB様活性物質を生産することを見いだした。VB活性生産量は、それぞれ100units/ml、4units/ml、0.5units/ml、0.2units/mlであった。 2.C18逆相カラムを用い、CH_3CN 20%→80%のグラヂェント溶出条件下、既知のVB-A、Bは12分に、またVB-Cは8分に溶出される。S.lincolnensisとB.brevisは、HPLC分析の結果、単一の活性物質(溶出時間10分)を生産しておりこの物質はVB-C類縁と考えられる。A-factor生産菌として知られているS.griseusは、溶出時間8、12、16、18分の4成分を生産していた。この内VB-A,B類縁である溶出時間12分の活性が、主成分であり総活性の67%を占めている。S.antibioticusは同様に、溶出時間7、12、16分の3成分を生産しており、VB-A,B類縁成分(溶出時間12分)が総活性の75%を占めている。 3.各生産菌の抗生物質生産性に対するvirginiae butanolide類の影響については、VB-Cを用いて検討したが、顕著な効果は見られず各誘導因子を単離、構造決定した後、再度検討する必要がある。 4.S.antibioticusについては、突然変異株をスクリーニングした結果当初の10倍の1000units/mlを生産する株を見いだしているこの株を用い、各種培地組成の影響を調べた後、本菌が生産する誘導因子を単離する予定である。
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