研究概要 |
1.森林土壌(L〜F層)のNH_4-N量、pH、含水量を様々の値に調整したのち、放射線滅菌をおこなったものを用いて、Amblyosporiumbotrytis,Ascobolus denudatusを培養して以下の知見を得た。 A.botrytisの栄養成長および分生子形成に対して最も強い影響を与えたのはpH、次いで含水率、NH_4-N量であった。本菌の分生子形成に最も適した培地条件は、pH8.0、含水率70%、NH_4-N濃度7.62X10^<-2>M〜16.OX10^<-2>Mであった。 A.denudatusの栄養成長および子のう盤形成に最も強い影響を与えたのはpHであった。本菌の栄養成長に最も適した培地条件は、pH8.0、含水率65〜70%、NH_4-N濃度3.63X10^<-2>M〜7.62X10^<-2>Mであり、本菌の子のう盤形成に最も適した培地条件は、pH8.0、含水率65〜75%、NH_4-N濃度0.82X10^<-2>Mであった。 2.合成培地を用いて各アンモニア菌の栄養成長時のNH_4-N濃度に対する生理特性を調査して以下の知見を得た。 A.botrytis,Coprinns phlyctidosporusの最適NH_4-N濃度は最も高く、1.54X10^<-1>M、次いでA.denudatusのそれは5.39X10^<-3>M,Lyophyllum tylicolor,Hebeloma vinosophyllumのそれは5.0X10^<-4>Mであった。 3.尿素処理に伴なう一般土壌真菌数の動態をPDAおよびPCAを用いた希釈平板法によって調査して以下の知見を得た。 尿素施与約2週間後にL〜F層、HA層ともに一般土壌真菌数が激減した。その後、一般土壌真菌数は増大に転じ、やがて対照区よりも高い値を示すようになった。この間に遷移前期のアンモニア菌が発生した。その後、一般土壌真菌数は激減して対照区のレベルに達した。この頃から遷移後期のエンモニア菌の発生が始った。
|