研究課題/領域番号 |
63560143
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 博一 東京大学, 農学部, 助手 (70174810)
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研究分担者 |
露木 聡 東京大学, 農学部, 助手
箕輪 光博 東京大学, 農学部, 助教授 (60011996)
南雲 秀次郎 東京大学, 農学部, 教授 (30023401)
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キーワード | 広葉樹施業 / 相対幹形 / 優良木作業級 |
研究概要 |
1.広葉樹樹幹形の解析 東京大学北海道演習林において伐採されたウダイカンバとミズナラ各87本を資料木として外部直径を分析した結果、(1)胸高直径や樹高にかかわらず相対幹形が梢端部と地ぎわを除いてほぼ一定であること。(2)ウダイカンバとミズナラが共通の相対幹形をもつこと。(3)枝下高率の高い樹木の相対幹形は針葉樹の同程度にバラツキが小さく安定していること。(4)枝下高率の高くない樹木でも枝分れの位置よりも下の部分にはこの相対幹形を適用できることを明らかにし、広葉樹の末口径の推定に相対幹曲線式を適用する手法を開発した。 2.広葉樹木材価格の解析 北海道演習林周辺の国有林から伐採された優良広葉樹の木材価格を旭川市内の二つの原木市場におけるミズナラ297本、ウダイカンバ529本の丸太の取引例を分析した結果、(1)日本農林規格に定める品等は木材価格にあまり影響を与えていないこと。(2)同一末口径では材長が長い程単位材積あたりの木材価格が高くなること。(3)同一材長では、末口径が大きくなる程価格が高くなる傾向が認められたが、90cmを超えると逆に価格が下がる傾向が認められた。 3.優良広葉樹の単木管理システムの開発 1、2の解析結果を踏まえ、北海道演習林内に成立する3753本の優良木を管理するために、その位置、樹高、胸高直径などを記録し、定期測定の結果から成長量を計算し、材積の保続と価値の保続を両立させるための伐採許容量決定システムを開発した。このシステムでは、一般の天然材木とは別に、優良木作業級を設定し、直径遷移確率を用いて成長量を予測し、本数管理曲線の累積分布によって優良広葉樹の直径分布を管理することによって、優良木の量的・質的保続を図る。
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