研究概要 |
本研究のこれまでの成果を総括すれば、大きくは以下のことが指摘される。 1.外材、分けても米材製材など木材製品のわが国への市場進出が顕著で、従来の外材専門工場も徹底した合理化、大型化が進んでいる。2.大工技能者不足等にともなう機械プレカットの急増により、大手住宅業者が直接国内外の産地工場等から製品を仕入れるケ-スも生じるなど、流通の短絡化が進んで来ている。3.伐採可能な資源量は、充分にあるものの、林業労働力が著しく高齢化し、かつ減少しており、実際に需要の応じた安定供給を可能にする体制が作れるかが懸念される。4.伐採のコストと最も顕著な正の相関を示すのは、車道からの距離であるが、路網密度等は必ずしも伐出コストの低減や生産性の向上に結びついていない。5.伐出コストや技術係数は伐出される量によって多く左右され、特に間伐にその傾向が顕著である。6.立地条件の有利さを充分に生かした伐出技術が確立されているとはいい難く、地域的に計画的な伐出を行う必要がある。7.LP分析の結果、現在規模の伐出や労働力下にあっても、伐採林地や労働力の配分を改善すれば、もっと効率よくかなりの利益を上げ得る。8.宮崎から首都圏までの輸送コストが高く、産地化を妨げる大きな要因となっている。9.しかしながら、もっと共同出荷を図って、大量安定輸送が可能となれば、より有利な木材専用船の活用が可能となり、輸送手段の適正配分を考慮することにより、この不利は克服できるという分析結果を得た。10.年収3,000万円前後の林家の経営分析結果、労働時間の制約よりも、RMRの制約の方が大きくかなりの加重労働になっている。11.木材の供給システム化の有用なモデルを作成するには、今後伐採、供給、加工、輸送等の計画が、コンピュ-タ-処理できるような情報(伐出技術係数、輸送手段や消費地における市況、ユ-ザ-ニ-ズ等)の整理、把握が必要となる。 ※成果の公表を見合わせる必要がある場合は,その理由及び差し換え期間等を記入した資料を添付すること。
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