1.前年より屋外に暴露した試験片を1年間経過後に接合部の劣化状態を検討し、また同型の試験片をより天然に近い状態で促進試験を行って劣化状態を検討した。両者の劣化状然の比較を行って耐久性を評価した。また、この両者の試験片の塩分集積状況も測定した。 2.厚さ12mmの材料に統一して主材にはブナ挽板を添え板には素材(ブナ、アカマツ)および木質材料(合板、パ-ティクルボ-ド、ファイバ-ボ-ド)を用いて、幅30mmの試験片を作製した。接合方法は(1)接着接合、(2)釘接合、(3)接着剤-釘併用接合の3種類とした。促進試験は大型水槽に海水を入れて、これに試験片を浸漬して1週間放置し、次に試験片を風乾(1週間)するのを1サイクルとする繰返暴露試験を行った。1〜6サイクル終了後に接合部の破壊試験を行って最大破壊荷重を測定した。屋外暴露試験片は1年間経過直後の架台より取りはずして引張試験を行って最大破壊荷重を測定した。これらのすべての測定デ-タはパ-ソナルコンピュ-タ-に収納して解析し、耐久性の評価を行った。 3.実験の結果、(1)常態試験においては木質材料は素材に比べて破壊強さが若干低い値を示した。しかし、接着接合と併用接合、接着剤間に差は認められなかった。(2)、海水浸せき-乾燥繰返し6サイクル暴露後の破壊荷重は常態の値に比べて素材ではあまり低下しなかったが木質材料はかなり値が低下した。釘接合はほとんど値が変化しなかった。(3)潮風が直接当る場所と当らないところに屋外暴露した試験片の破壊荷重に有意な差は認められなかった。これらの値は海水浸漬促進暴露6サイクルの値と同程度であった。(4)塩分の集積量は促進暴露ではサイクル数とともに増加したが材料によって差があった。屋外暴露試験片では潮風の当るところに暴露したものは明らかに塩分集積量が多かった。
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