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1988 年度 実績報告書

核内および核外遺伝子を指標としたコイ科魚類の遺伝子動態の解析

研究課題

研究課題/領域番号 63560179
研究機関東北大学

研究代表者

木島 明博  東北大学, 農学部, 助教授 (50161451)

キーワードフナ属魚類 / アイソザイム / ミトコンドリアDNA / 集団構造 / 遺伝様式
研究概要

異種間の雑種による異質4倍体魚類を起源として進化したとされるコイ科魚類はサケ科魚類の同質4倍体起源に比べて複雑な遺伝的組成を持つとされている。そのうちフナ族魚類は倍数性の存在や雌性発生による繁殖など特に複雑な繁殖様式をとることが知られている。本粘土はフナ族魚類のうちゲンゴロウブナ、キンブナ、ギンブナ、およびキンギョ (ワキン) を中心として、アイソザイム分析による核内遺伝子の動態を調べ、さらに、核外遺伝子としてミトコンドリアDNAの単離をおこなった。その結果の概要を以下に示す。
(1)ゲンゴロウブナとワキンをもちいてデンブンゲル電気泳動によって11酵素について調べたところ、それらを支配する21遺伝子座が推定できた。これを基本として青森県、宮城県、福島県の池に生息するフナについて調べた結果、すべてにおいて安定して推定できたのは6遺伝子座であった。この核内遺伝子の共通性から青森県のひとつの池に遺伝子交換をしない二つの集団があることが見つかった。
(2)各地の池のフナの体長、体高、背鰭基底長、背鰭条数、および鰓耙数を計測した結果、それらはキンブナ型、ギンブナ型、ゲンゴロウブナ型、およびそのどれにも属さない型に分けられた。また、核内遺伝子 (アイソザイム) の共通性と合わせてみた結果、キンブナ、ギンブナ、およびゲンゴロウブナのどれにも同定出来ない種類がいることがわかった。
(3)アルカリ処理法によるミトコンドリアDNA単離法が改良できた。これによりフナ属3種がほぼ同じ塩基対数を持つことがすいていされた。これより次年度は同定出来なかったフナのルーツをフナ属魚類の類縁の中で明らかにすることが残された。

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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