研究課題/領域番号 |
63560184
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
小池 篤 東京水産大学, 水産学部, 教授 (60017027)
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研究分担者 |
町井 紀之 東京水産大学, 水産学部, 講師 (60181666)
松田 皎 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (90026485)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | 二枚網 / 三枚網 / 一枚網 / 網目選択性 / 漁獲率 / 脱落率 / 絶対選択率 / 漁獲機構 |
研究概要 |
二枚網の漁獲の特性を明かにする目的で、東京湾羽田沖で漁獲実験を行った。実験は1989年10月から11月にかけて10回実施した。試験網の長さは18m、網丈は0.8mである。二枚網については小目網の網目を3種、たみるを3種、三枚網については内網を3種、たるみを3種、一枚網については目合を3種に変えた。大目網及び外網の目合はいずれも18cmである。二枚網の漁獲尾数が三枚網のそれより多いのはコノシロで、マハゼは逆に三枚網の方が多かった。コノシロの場合、二枚網では、小目網の目合が3.6、5.1、6.8の順に漁獲が多く、一枚網では目合の大小による漁獲の変化が大きかった。二枚網、三枚網では小目網の大小、たるみが漁獲に影響した。選択性曲線は、二枚網、三枚網、一枚網の順に選択性が鋭くなる傾向を示した。たるみの選択作用に及ぼす影響は少いと考えられた。一方、一枚網の漁獲過程を知る目的から、東京水産大学大泉実験実習場において、ニジマスを用いた漁獲水槽実験を実施した。水槽は6×4m^2で実験魚数は200尾とし、目合を4.1、4.6、5.1cmとした。浸漬時間を12時間とした。絶対選択率と脱落率の比較から、選択率が最大のときに脱落率は最小を示し、その増加、減少の傾向は相反することが示された。また漁獲及び脱落は網の浸漬初期に最も頻度が高いことが示された。一枚網と二枚網の漁獲性能を比較すると対象魚の魚体サイズが目合に適合する場合は一枚網は二枚網に比べより高い漁獲効果を持つことが示された。さらに、二枚網の網高さの流れの影響を調べる目的から回流水槽実験を行い、その結果を理論的に推定する方法を導出した。三枚網など複数な構造の流体抵抗はまだ明かにされていないため、第一近似として、網地の抵抗係数は使用された網地量の和で表わされるとし、一枚網についてすでに発表されていた刺網の網高さに関する松田の式を用いて表わした。得られた結果は、実測値とよい一致を示した。
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