研究課題/領域番号 |
63560204
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
喜田 和四郎 三重大学, 生物資源学部(水産学部), 教授 (50024823)
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研究分担者 |
前川 行幸 三重大学, 生物資源学部(水産学部), 助手 (90115733)
野田 宏行 三重大学, 生物資源学部(水産学部), 教授 (70024825)
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キーワード | 高タンパク質海藻 / プロトプラスト調製 / 水溶性タンパク質 / アミノ酸スコア |
研究概要 |
(1)高タンパク海藻のスクリーニング 高タンパク質の海藻を作出する研究の第一段階として各種海藻の粗タンパク含量を比較検討した。緑藻19種、褐藻42種、紅藻類59種の試料についてみると、緑藻あおさ科のアナアオサ、スジアオノリ、リボンアオサは30%以上の高値を示した。みる科は12〜15%、ヒトエグサも16%であった。褐藻のこんぶ科の中でカジメが18%、アラメ16%、マコンブ14%で他の藻種は10%以下であった。ほんだわら科の19種のタンパク含量はハハキモク28%、アキヨレモク24%、ウミトラノオ19%で10%〜16%の頻度が高い。あみじぐさ科のサナダグサ16%、フタエオオギ68%、ヘラヤハズ16%と高いが、それ以外の藻種は3〜6%の低水準を示した。紅藻はタンパク含量が30%を超えるものは、うしけのり科のアサクサノリ35%、ウシケノリ37%、むかでのり科のヒラキントキ34%、おごのり科のカバノリ、かぎけのり科のタマイタダキ35%で3藻門の中では紅藻が最もタンパク含量が高く、緑藻、褐藻の順位で低くなる傾向を示した。 (2)プロトプラストタンパク質の化学的性質、栄養価の評価 緑藻3種、褐藻2種、紅藻2種にセルラーゼ、マセロチーム、貝類由来の多糖分解酵素を作用させて得たプロトプラストのタンパク質を水溶性、塩溶性、アルカリ可溶性画分に分離してアミノ酸組成を求めた。水溶性画分はスサビノリ、マコンブ、ヒトエグサが多く、塩溶性画分はワカメ、アナアオサが多く分布している。アミノ酸組成はどの海藻もAsp、Gluに富み、Cys、Metの分布が少なかった。電気泳動図型は、いずれの海藻でも三つのタンパク質画分共に多数のバンドから成り、特に水溶性タンパク質画分は多数のバンドが検出され、紅藻類の泳動図型が複雑であった。FAO/WHO(1973)のアミノ酸スコアを求めるとスサビノリ96、トサカノリ94、ヒトエグサ93、オキナワモズク89で栄養価値は高い。
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