1.人口10万人以上の都市について、人口規模と人口増加率のマトリックスによて、都市を類型区分した。ただし、昼間人口よりも夜間人口が多い、いわゆるベッドタウンについては、都市圏を形成する中心都市として扱わないものとした。東京都市圏、名古屋都市圏、大阪・神戸都市圏は複合的・重層的構造を有していることから、次年度においてひきつづき分析を加える。 2.総就業人口のうち、当該中心都市への就業人口が5%を越える市町村を、当該中心都市の圏域として画定し、10%以上の圏域をインナーフリンジ、10%未満5%以上の圏域をアウターフリンジとした。 3.土地利用の変化について、集落を単位とする分析、および土地所有者個人を単位とする分析をインテンジブな調査にもとづいて、行った。 (1)集落を単位とする分析結果からは、土地利用転換(農地転用)は、開発適地性にもとづいて行なわれているのではなく、農地利用としての優劣性にもとづいて行なわれている傾向が明らかにされた。 (2)土地所有者を単位とする分析結果からは、土地所有農家の属性と強く関係し、中でも、農業を本業とする農家ほど農地転用は少いこと、所有農地の分散数が多い農家ほど転用も多いこと、所有農地の団地面積が大きい農家ほど農地転用は少ないことが明らかになった。また、農地の存在形態とも農地転用は強い関係を有し、転用される農地は所有農家の手元から遠く離れた所にある農地ほど転用されること、転用農地は団地規模とは関係しないことが明らかにされた。また、農家の農業経営規模と農地転用との関係については、土地集約利用型の農業地域に見る限り、両者の間には明確な関係を有していないことも明らかにされた。
|