本研究は都市発展圧力のもとでのア-バン・フリンジにおける土地利用変化に焦点をあてて、合折を行った。本研究によって得られた新たな知見は以下の通りである。 (1).農地の都市的利用への転換は、4条転用、5条転用ともに、農業経営適合性と関連を有している。すなわち、農地は農業経営の適合性の高い地域では都市的利用への転換は少く、逆に、適合性の低い地域において農地転用がすすんでいる。しかしながら、この転用と適合性との相関係数-0.52である。 (2).農地転用を行う農家と農業経営構造の強弱との間には強い相関が見られる。 (3).農地転用と経営規模の大小との間には比例的関係は見られない。 (4).農地を転用する農家と農地の分散状況との間には強い相関が見られる。 (5).農地の転用は、農家の住居から遠く離れた所にある農地ほど起り易いという関係が強いことが明らかにされた。 (6).しかしながら、農地一等の面積の大小が農地転用に影響を及ぼすかどうかは明らかでない。 なお、零細分散錯圃ていう特徴を有するわが国の農地所有構造のもとでは、ア-バン・フリンジにおける土地利用転換構造を分折する上で、土地の社会的分折の有効性が明らかにされた。
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