今年度の研究目的は、(1)造成法面の降雨浸透の様子を知るため、テンションメ-タを埋設し、法面の地盤中の土の水分張力を測定するためのシステムを構成すること(2)造成法面内の降雨の浸透の様子をシミレ-ションするためのコンピュ-タプログラムを開発することである。 (1)については次のような研究を進めた。 このシステムを構築する研究のうちで、最も重要な実験技術の確立を必要とされることは、テンションメ-タ-を適切な位置に埋設する技術である。 適切な位置は平面的な場所の選定と鉛直的な(深さ)の選定により決定される。前者はスエ-デン式サウ-ンデングを研究対象法面に対して61点実施し、盛土地盤と切土地盤の位置を知ることにより三次元形状を成している地質構成把握した。その結果を元に48本のテンションメ-タ-を層別、深度別に埋設した。そして、現在、土の水分張力の測定中である。 (2)については今年度は解析プログラムの開発きため次の実験と解析を行った。 ここで使用する解析プログラムは『有限要素法による飽和、不飽和浸透解析プログラムUNSAF』を改良して使用の予定であるのでこのプログラムの適用性について、室内の水槽砂モデル実験を実施した。その結果、実験値と解析値よい一致を見た。 そこで福島県の三春地区の農地造成現場で行う測定と比較し、法面中の水分移動を予測することが次年度の課題である。
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