1.調査地区の選定については、溜池灌漑地帯として岡山県で8地区、広島県で2地区、愛媛県で2地区の計12地区を選定し、河川灌漑地帯として兵庫県で1地区、広島県で2地区の計3地区を選定することができた。 2.調査収集資料の分析は次年度に待たねばならないが、調査地区選定のための予備調査から明らかになったことは、圃場整備に伴って従前地に存在した水利条件差をなんらかの形で清算することを水利清算概念としてとらえると、換地における水利条件の評価はその概念の構成要素であるということである。したがって、換地における水利条件の評価では前提条件を見極めて、換地における土地評価にまで関係してくる要因を整理しておくことが重要である。 3.換地選定結果の分かりやすい表現法についての予備的考察では、従前地と換地の位置関係に着目し、換地パターンとして把握することができ、これを池掛りに適用して、池掛りの変化の状態を換地パターンとして表示することが可能になった。 4.池掛りの変化と換地選定に関する予備的考察では、溜池灌漑地帯における集団化換地の意味は、特定の池掛りに換地を集団化することであるが、それには(1)池掛りが変化して、換地選定は原地換地のままである場合(2)池掛りは変化せずに、換地選定が集団化換地である場合、の典型的な二つの場合に分けられ、両者には集団化の効果に差が認められなかった。
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