1.分析対象地区として選定した地区は水利条件の評価資料が入手できた8地区であり、溜池灌漑地帯として岡山県、広島県、愛媛県から各々2地区、河川灌漑地帯として広島県、岡山県から各1地区選定した。 2.評価の単位を水掛り区域とする評価項目の水量条件に関する仮説は、分析の結果、評価対象が明確でなく、評価者の達観的要素が関与し、客観的に把握することが難しいことが明らかとなった。 3.一筆単位に評価できる水路施設条件の評価項目は、水路施設の有無が客観的に明らかであり、合わせて施設の構造も把握でき、圃場整備前後の評価の差も出せることから、合理的な評価項目であることが明らかとなった。これは溜池灌漑、河川灌漑の両地帯に共通する。 4.原野、雑種地、畑など水利権のない土地の取扱いについては、水利権の有無を評価項目に加えることができれば、換地の土地評価によって処理できることが分った。 5.水掛りの観点から、圃場整備の性格は水掛り地区を統合する場合としない場合とに区分される。水掛り地区を統合する場合に水利清算概念は適用されるべきであり、水利清算を換地の土地評価に基づく換地清算で処理することには、水利団体が当事者になるために無理がある。
|