• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

海成粘土の挙動におけるセメンテ-ションおよび電解質物質の役割

研究課題

研究課題/領域番号 63560232
研究機関九州大学

研究代表者

大坪 政美  九州大学, 農学部, 助教授 (80112316)

研究分担者 岡部 為信  九州大学, 農学部, 教務員 (60091378)
和田 信一郎  九州大学, 農学部, 助手 (60108678)
江頭 和彦  九州大学, 農学部, 助教授 (20038293)
高山 昌照  九州大学, 農学部, 教授 (60038312)
キーワード海成粘土 / 物理化学的性質 / 電解質物質 / 剪断強度 / 非晶質水酸化鉄 / 粘度 / 粒子間相互作用 / セメンテ-ション
研究概要

第一に、佐賀県白石町から採取した有明粘土層の物理化学的性質が、粘土の工学的性質に及ぼす影響を調べた。粘土鉱物組成については、主要粘土鉱物のスメクタイト含有量が、上層の60%から下層の23%まで変化している。遊離のFe_2O_3は0.7〜2.5%、Al_2O_3は2〜3%、SiO_2は3〜24%の値をとる。硫酸イオン濃度とpH、および遊離のFe_2O_3の間には有意の相関がある。これは、海水面の変動に伴う有明粘土の堆積環境と密接に関係している。即ち、海水面が低いほど粘土はより強い酸化状態となり、パイライト(FeS_2)の酸化によりより多くの硫酸イオンが生成され、その結果pHは低下する。重相関分析によると、室内試験での強度増加率の支配因子はスメクタイト含有率と塩濃度、自然状態における強度増加率の支配因子はこれら二つの因子に加え、pH、Fe_2O_3、Al_2O_3、SiO_2である。このことから自然状態での強度増加率は、堆積環境の変化やセメンテ-ション作用に関係していることがわかる。
第二に、イライトと非結晶質水酸化鉄の相互作用を、電子顕微鏡、電気泳動、粘土特性の結果から考察した。顕微鏡写真によると、イライトと水酸化鉄の結合状態は、これらを混合したときのpHに依存している。イライトへの水酸化鉄の添加量が大きいほど、pH3〜10での複合体の負電荷は減少し、水酸化鉄添加量10%と20%の複合体は、低いpHで正電荷を示す。複合体のビンガム降伏値は、ゼ-タ電位がゼロのとき最大値をとり、負および正のゼ-タ電位が増えるほど減少する。これは、ゼ-タ電位がゼロのとき電気的な粒子間斥力が最小となり、負および正のゼ-タ電位が高くなるほど、粒子間斥力が増大するためである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 大坪政美 OHTSUBO MASAMI: "Interaction of iron oxides with clays" Clay Science. 7. 227-242 (1989)

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi