研究課題/領域番号 |
63560233
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
堤 聰 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (40092275)
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研究分担者 |
嶋 栄吉 北里大学, 獣医畜産学部, 助手 (40196457)
大久保 博 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (80203735)
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キーワード | 渓流取水工 / 水理実験 / 取水量 / 河床勾配 / ポ-ラス管 / 開孔塩ビ管 |
研究概要 |
本年度は、昨年度の継続として、北上山地での畜産用水の渓流取水工の実態調査を行い、それらの取りまとめを行った。また、実態に基づく山間渓流での特殊性を考慮した改良型取水工の実験を詳細に行った。主な研究成果は、次のとおりである。 1.集水暗渠型取水工の取水方式について 従来、集水暗渠型では、集水管は渓流河床に直交して設置(直交方式)されている。現地ではこの方式で土砂礫などの堆積などによって、所要の取水量が確保できないなどの問題が発生していた。そこで、渓流河床に集水管を平行に設置する(平行取水方式)改良型取水工を試作した。 この平行取水方式は、直交方式に比べて、渓流という川幅の狭い条件において、横取水率の制約がなく、縦取水率が増加することから、所要の取水量を達成するための自由度が高いことが明らかとなった。 2.平行暗渠型取水工の水理実験結果について 本年度は、取水機能の低下要因となる項目について主に取り上げて実験した。実験には集水管としてポ-ラス管(連続多孔性コンクリ-ト管)と開孔した塩ビ管を用いた。ポ-ラス管では流水中のSS成分による目詰まりが取水量を急速に減少させること。また、フィルタ-材として礫を用いたが、集水管への流入等の損失が大きく現われた。開孔管では、開孔面積率によって取水量が左右されることなどが判明した。また、それらの損失は見かけの流速と直線的関係にないことも明らかになった。ただ、今回の実験では河床勾配や取水部の流れの流速の取水量への影響などは把握が難しく、さらに比較実験が必要であり今後の課題として残された。 以上により、山間渓流での取水方式として平行取水方式が有利であることが明らかにでき、今後の渓流取水技術の基礎資料が得られた。
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