土壌の保水性は土壌表面状態に起因して生ずることから、土壌の表面状態を表わす土壌の比表面積、細孔特性から土壌の保水性を検討することは重要である。 これまでの比表面積よりの検討につづき、土壌の保水性を細孔特性から2年間継続して検討してきた。 その結果次のことが明らかになった。 1.土性が砂質から粘土質になるにつれてポア-量は増加し、大ポア-にかたよる不連続なポア-分布から、大ポア-から小ポア-まで広がる連続したポア-分布となり、土性の変化とともにポア-特性も量的及び質的に特徴ある変化を示した。 2.火山性土壌は非火山性土壌よりもポア-量が多いとともに比較的小さいポア-が主体を占めるポア-分布となる。 3.火山性、非火山性ともに腐植量の増加によりポア-量が多くなり、ポア-分布は比較的大きいポア-が主体を占めてくる。 4.土壌の全細孔量と水分恒数の間には土壌の種類に関係なく正の相関が認められる。その相関係数は低pF値になるほど大きく、低pFにおける保水に間ゲキが大きく関与している。 5.土壌の全細孔量とpF3.0までの低pFにおける水分恒数の間の高い相関性を利用して、土壌の全細孔量より畑地カンガイで重要となるpF3.0までの任意pF水分量を求める式を示した。
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