1.歩行型トラクタ-によるロ-タリ耕耘状態を「土壌-人-機械結合系」としてモデル化し、それぞれの相互作用による複雑な力学的挙動を有限要素法で解析することを試みた。解析に用いたプログラムは前年度開発したものをベ-スとしている。解析結果より実際の状態を定性的に説明しうることが判明したので、土壌条件やロ-タリの駆動条件を変化させていくつかのシミュ-ションを行った。人体各部に作用する力の状態もわかるので人間工学における解析手法としても本法を利用できる。 2.力学的にみて複雑な構造をもつクロ-ラと地盤を一つの結合系としてモデル化を行った。スプロケットを駆動させた時のクロ-ラ各部に作用する力の状態、けん引力、地盤内の応力・ひずみ、ラグの効果等を分析しうることが明らかとなった。この問題に関してもシミュレ-ションを行い両者の相互作用とクロ-ラの挙動の一部を明らかにした。 3.平板沈下に関する弾塑性解析を実施し、従来の支持力理論値および実験値との比較を行った。解析結果は定性的にも定量的にも実験値を説明しうることがわかった。 4.前年度開発他車輪の転動問題解析用の弾塑性プログラムをさらに改良してシミュレ-ションを行い、一部実験デ-タと比較した。今回はすべり沈下現象を説明できた。定量的にみるとこのプログラムにはいくつかの改良点が残されている。 5.有限要素解析結果と実験結果を比較するためのシステムの開発を進め、主要部の検討を行った。このシステムを用いて土壌の変形解析を行い、十分に適用可能なことを確かめた。 6.3次元問題解析用の弾性プログラム(大型およびパソコン用)を開発し、現在、弾塑性プログラムへの拡張を検討中である。
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