研究課題/領域番号 |
63560246
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
青木 正敏 北海道大学, 農学部, 助教授 (60081569)
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研究分担者 |
谷 宏 北海道大学, 農学部, 助手 (80142701)
堀口 郁夫 北海道大学, 農学部, 教授 (10001439)
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キーワード | CO_2環境調節 / 光環境調節 / 糖無添加培地 / アスパラガスの幼茎組織培養 / 食用ユリ茎頂組織培養 / 葉・シュート / 組織形成・生長 / クロロフィル |
研究概要 |
実験材料として、クロロフィルをもったアスパラガスの幼茎(節部、長さ約7mm)とクロロフィルをもたない食用ユリ茎頂部(約1mm)を用いた。かんてん培地に糖を添加した区(有糖区;アスパラガス:3%、食用ユリ:2%)と無添加の区(無糖区)を設けた。さらに、これらを大気中のCO_2濃度(20000ppm(高CO_2)、5000ppm(中CO_2)、400ppm(低CO_2))および光強度(200001x(強光区)、90001x(中光区)、50001x(弱光区))を調節した実験区に分け、18の実験処理区を設けた。さらに、従来の培養条件(培地に糖を添加、光強度約70001x、CO_2濃度は調節しない)の対照区を設けた。これら合計19区から、両組織の茎葉の形成・生長および根の形成・生長に及ぼす糖添加、大気中濃度、および光強度の影響を調べた。 1.アスパラガス幼茎組織培養(6週間) (1)無糖でもCO_2濃度や光条件によっては有糖の場合以上にシュート形成・生長が優れること、(2)この理由として、クロロフィルをもった組織では培養当初から光合成が行われて独立栄養的に生長するからであると考えられること、(3)無糖の場合、シュート形成・生長が良好な条件としては、高CO_2弱光および中CO_2・中光であること、(4)この条件では、従来の培養条件より著しく生育が促進されること、が明らかになった。 2.食用ユリ茎頂組織培養(4週間) (1)糖無添加区ではどのCO_2・光条件下でもクロロフィルは形成されず、組織は死滅した。このことから、クロロフィルをもたない小さな組織の培養に対しては培地への糖の添加が不可欠である。(2)糖添加の場合、強光、弱光・低CO_2条件は葉及び根の形成・伸長にとって良くなかった。根、葉および鱗茎の形成・伸長にとって、全体的に優れた条件は、高CO_2・中光、中CO_2・中光、及び中CO_2・弱光であった。
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