本年度は研究の2年目(最終年度)であったため、おもに1年目(昨年度)の実験の例数を増やし、結果の確認と得られたデ-タの解析をした。 1.発情牛の実験: 昨年度の3頭に加え、さらに4頭のホルスタイン種未経産牛を供試した。ただし牛の年令が若すぎたため分析可能な発情時デ-タは充分ではなかったため、主に体温と気温および行動の関係を分析するためにデ-タを活用した。発情時の体温変化のデ-タは断片的ではあったが昨年度の結果を確認できるものであり、そのまとめは成果報告書にある通りである。 2.分娩牛の実験: 昨年度の8頭に加え、16頭のホルスタイン種経産牛を用いて実験を行なった。結果は昨年度の報告内容を再確認する面が多かったが、頭数を増やすことにより分娩前の体温変化を2つのパタ-ンに分類できた。一つのパタ-ンは体温の急激な上昇と急激な下降を示すものであり、もう一方は緩慢な上昇と緩慢な低下を示すものであった。そのパタ-ンの違いは、分娩時刻と関係していることが示唆された。なおこの結果は、論文として雑誌(Can.J.Anim.Sci.)に投稿中である。 3.現在発情発見と分娩予知の精度を上げるソフトウェアの開発を続行中である。
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