研究概要 |
1.鶏の主要組織適合(MHC)B座位のうち、B^9、B^<11>遺伝子についてそれぞれホモ化している系統を用いて、赤血球、リンパ球、脾細胞をマエスに免疫し、細胞融合を行なった。2年間で9回の細胞融合を行い、得られた32種のハイブリド-マから6つのモノクロ-ナル抗体(Mab)を産生するクロ-ンを選別した。これらのMabについて、血清学的及びフロ-サイトメ-タ-(FCM)をもちいた間接膜蛍光抗体法で分析した結果、2つは赤血球とのみ特異的に反応する抗体でB^9及びB^<11>に特異的な抗B-G抗体である事が明らかとなった。残りの4つは、赤血球とリンパ球の双方に反応する事から、抗BーF抗体であると思われる。 2.抗B-F抗体を用いて、MHC抗原の精製を試みた。B^<11>B^<11>遺伝子型の鶏から得た赤血球の膜抗原をsodium deoxycholate緩衝液を用いて可溶化し、抽出した。精製にはMabをホルミルセルロファインにカップリングしたアフィニティカラムを用いて行なった。得られた精製抗原をSDS-PAGE分析した結果、分子量が50,000の位置に1本のバンドが認められた。 3.マレック病由来のMSB1-41C腫瘍細胞を接種した鶏の血清中に出現する105Kgpに対するMabを作製し、105Kgpの生物学的、化学的特性について検討した。105Kgpは105Kダルトンの分子量を持つ糖蛋白質である。鶏胚のフィブロブライト培養中に105Kgpを添加することにより成長を促進することが明らかとなった。その効果は添加量に応じて二峰性の生長パタ-ンを示すことが認められた。
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