• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

体外灌流法による鶏卵巣の排卵に対する神経伝達物質及びプロスタグランジンの影響

研究課題

研究課題/領域番号 63560265
研究機関九州大学

研究代表者

田中 耕作  九州大学, 農学部, 助教授 (50038220)

キーワード鶏卵巣の灌流 / 卵胞の排卵 / カテコールアミン / テストステロン
研究概要

1.当該研究室で確立した鶏卵巣の灌流装置は、1回の実験で1個の卵巣しか供試できなかった。この装置2つを同時に、同じ条件下で灌流するシスティムを作り試験を行なったところ、単一の場合と同様の実験結果が得られた。したがって、以後灌流実験はこの複式灌流装置を用いて行なった。
2.テストステロンが直接卵巣に作用し、排卵を誘起するかどうかについて検討した。クラッチ第1卵胞(F_1)及び第2卵胞(F_2)をそれぞれ排卵の17〜18時間前に灌流し、テストステロンプロピオネイト(200μg)を灌流液に添加した結果、F_1では83%、F_2では67%の排卵率が得られた。したがって、テストステロンもプロジェステロンと同様に卵巣に直接作用し排卵を誘起することが明らかとなった。この作用は卵巣でテストステロンがプロジェステロンに変換されて排卵が誘起された可能性があるが現在の実験結果ではこの点不明である。
3.神経伝達物質であるエピネフリン及びノルエピネフリン(10^<-5>M)を灌流液に添加し、F_1及びF_2の排卵誘起作用について同様に実験を行なった。その結果、エピネフリンの場合、F_1、F_2卵胞ではそれぞれ88%及び80%と高い排卵率が観察された。一方、ノルエピネフリンにつてはF_1で78%、F_2では57%が排卵した。ノルエピネフリンに比較し、エピネフリンの排卵誘起作用は強いことがわかった。また、エピネフリンの場合、灌流卵巣の最大卵胞のほか、第2、第3番目の卵胞にも排卵が誘起された。これは添加したカテコールアミンの量が生理的量を著しく超過していたために生じたものと推察される。
以上、テストステロン、エピネフリン及びノルエピネフリンは共に灌流卵巣に対し直接的に作用し、卵胞の排卵を誘起することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 田中耕作・井上智右: Avian Endocrinology: 4th International Symposium. 24-25 (1988)

URL: 

公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi