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1988 年度 実績報告書

Lactobacillus caseiのラクトース発酵性の発現機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63560278
研究機関岡山大学

研究代表者

宮本 拓  岡山大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (00093708)

研究分担者 片岡 啓  岡山大学, 農学部, 教授 (90032987)
キーワードLactobacillus casei / ラクトース代謝 / 変異株 / ニトロソグアニジン / 接合 / プラスミド / ラクターゼ / プロトプラスト融合
研究概要

著者らの分離したラクトース非発酵性Lactobacillus casei(L.casei subspalactosus)、そのラクトース発酵性変異株(ニトロソグアニジン処理や接合法により作出した菌株)およびL.caseiの標準株(American Type Culture Collection)を供試し、それらのラクトース代謝を比較検討した。ラクトース代謝は各供試菌株の糖類発酵性、生酸性等の表現形質の検索ならびに酵素学的方法により調べた。その結果、ラクトース発酵性を獲得した変異株4株のうち、2株はラムノースあるいはソルボース発酵性をも獲得したが、残りの2株はメレジトース発酵性を失った。しかしいずれの菌株も脱脂乳を凝固した。またそれらの性質は繰り返しの試験において同様であり、いずれの性質も安定であった。次にラクトース発酵性変異株のラクトース代謝を酵素学的に調べたところ、特にラクターゼ活性において、使用した標準株はいずれもβ-ガラクトシダーゼ(β-gal)およびフォスフォーβ-ガラクトシダーゼ(β-Pgal)の両酵素活性を示したのに対し、変異株の3株はβ-gal活性のみを示していた。このことは、セファデックスG-200でのゲル濾過によるβ-galとβ-Pgalの分画でも確認された。しかしいずれのラクトース発酵性変異株も親株と同一のプラスミド組成を示していた。またこのラクトース発酵性変異株のラクトース代謝能を他のラクトース非発酵性乳酸菌へ接合伝達する試みをしたがラクトースの伝達はみられなかった。以上のことから、著者らの作出したラクトース発酵性変異株のラクトース代謝はプラスミド上の遺伝子に支配されているのではなく、染色体上の遺伝子に支配されており、そのためにラクトース代謝が非常に安定しているものと推論される。今後パルスフィールド電気泳動法等により染色体由来の巨大DNAのパターンを比較、それを分離し、乳酸菌の糖代謝、とりわけラクトース代謝との関係を追求して、乳業用乳酸菌の育種(プロトプラスト融合等)の研究に資する必要がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 宮本拓: 化学と生物. 26. 628-630 (1988)

  • [文献書誌] 森田英利: 日本農芸化学会誌. 63. 334 (1989)

  • [文献書誌] 宮本拓: 日本畜産学会報.

  • [文献書誌] 宮本拓: "ラクトース非発酵性Lactaobacillus caseiの分離と機能の応用に関する研究" 東北大学博士論文, 1-197 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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