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1989 年度 実績報告書

脳下垂体中間葉・前葉小門脈系の比較解剖学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570008
研究機関岡山大学

研究代表者

村上 宅郎  岡山大学, 医学部, 教授 (50033204)

キーワード下垂体門脈系 / 長下垂体小門脈 / 短下垂体小門脈 / 下垂体上衣下(上衣下・前葉)小門脈 / 下垂体腺葉内小門脈 / 下垂体血管の発育 / 下垂体血管の加令 / 下垂体令血管の性差
研究概要

モルモットとウサギの脳下垂体血管全般、特に中間葉の血管群、について、新生児から老年に至るまでを鋳型走査電子顕微鏡法で調べ、次の結果を得た。
1.モルモット、ウサギの脳下垂体血管は類似している。すなわち、正中隆起部と下垂体前葉を連絡する長下垂体小門脈と下垂体後葉と前葉を連絡する短下垂体小門脈が明瞭に正別できる。
2.両動物において、正中隆起部の血管叢と後葉の血管叢は頸部血管叢を介して互に移行する。従って、ラットに於いて主張したように、後葉血管叢も正中隆起血管叢と共に第一次血管床と呼ばれるべきである。
3.ラットにみられる正中隆起上衣下血管群はモルモット、ウサギでは発達が悪い。これらの動物では、代って後葉血管叢から著明なル-プ状毛細血管が上衣下に向って多数突出する。このル-プ状毛細血管は短小門脈と連絡する。この上衣下・前葉小門脈系と呼ばれるべき血管路は加令と共に発達し、老年期において最も顕著である。このことは、この系がAgingに関係があることをうかがわせる。
4.ラットに認められる中間葉固有の血管群はモルモット、ウサギには認められない。しかし、移行帯(特に前移行帯)の血管群が代償的に思春期に発達してくる。このことは、中間葉と移行帯は相間であることを強く示すものであり、同時にこれらの器官は生殖に深い関係があることを示すと考えている。
5.ラットと同様に、短小門脈は成長と共に退化傾向をしめす。このことは成長期に視床下部の下垂体支配ホルモンが長小門脈系系を介して集中的に下垂体前葉に流入し、成長ホルモン等の分泌を加速することを示していると考えられる。
6.ラットに認められた性差は特に認められなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Murakami Takuro(村上宅郎): "Injection replication and scanning electron microscopy of vascular systems:a methoddogical review with some comments on the angioarchitecture of rat hypophysis." Zoological Science. 6. 1047-1058 (1989)

  • [文献書誌] Murakami Takuro(村上宅郎): "Organizations and age-related vicissitudes of the rat hypophyseal bleod vascular plexuses and portal vessels as bserved by the injection replica SEM method." Scanning Electron Microscopy of Vascular Casts:Methods and Applications.(P.M.Motta,T.Murakami amd H.Fujita)(eds),Kluwer Academic Press,Norwell MA,U.S.A.(1990or1991)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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