研究課題/領域番号 |
63570024
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
藤本 淳 産業医科大学, 医学部, 教授 (80080547)
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研究分担者 |
森 直幹 産業歯科大学, 医学部, 助手 (80200377)
上田 宏 産業歯科大学, 医学部, 講師 (00160177)
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キーワード | ワイベル・パラ-デ小体 / ブタ冠動脈攣縮 / ヒスタミン / 内皮放出因子 / 二次元電気泳動 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
WeibelーPalade body(以下WP)は血液凝固に関与する第8因子関連抗原(分子量220K)とそのプロシ-クエンス(分子量100K)を含有する。一方、近年血管内皮由来弛緩因子(EDRF)や収縮因子(EDCF)の概念の展開により、内皮細胞のvasomotionに果たす役割も注目され、その粗面小胞体・ゴルジ系で生成されるWPに血液凝固促進因子以外にも血管収縮因子が含まれている可能性が我々の予備実験からも示唆されてきた。さらに、昨年度の研究結果から、ブタ冠動脈は10^<-3>Mヒスタミンによって著明に攣縮を起こし、その形態学的変化として内皮細胞の空胞増加、内皮細胞間の離開、標識実験による内皮透過性の亢進が明らかとなった。 これらの結果に基づいて、本年度は(1)ブタ冠動脈分離内皮細胞を、メチオミン量を通常量の1/10に調節した培地に〔^<35>S〕メチオニン100μci/mlを添加し、16時間培養し、培養細胞の標識放出蛋白を二次元電気泳動によるオ-トラジオグラムで解析した。(2)冠動脈segmentを(1)と同様の方法で培養した。(3)(2)の培地に10^<-3>Mヒスタミンを添加し、放出蛋白を解析した。(4)WPの脱顆粒剤としてcompound48/80、PMA、calcium ionophoreを培地に添加し、その放出蛋白の泳動パタ-ンを無添加群と比較した。上記の実験結果を要約すると、(1)からは7種の内皮放出蛋白が確認され、(2)ではE140Kを除いて(1)と同種の放出蛋白が確認された。(3)でヒスタミン添加によって120Kのスポットが得られた。 以上の結果から120Kの蛋白が冠動脈攣縮時に内皮から放出され、それは(4)の実験からWP由来因子であると考えられる。今後このペプチドの抗体を作製し、免疫電顕によって細胞内局在を追跡していく予定である。
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