研究課題/領域番号 |
63570032
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
河田 光博 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (60112512)
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研究分担者 |
上田 秀一 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (60150570)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | In situハイブリダイゼ-ション / オキシトシンmRNA / 合成オリゴヌクレオチド / エストロゲン / プロゲステロン / ナロキソン / 室傍核 / 視索上核 |
研究概要 |
オキシトシンニュ-ロンの遺伝子発現機構の解明にin situハイブリダイゼ-ション法を用いて検索を進めた。オキシトシン前駆体ホルモンのmRNAの塩基配列は、同じ下垂体後葉ホルモンであるバソプレシンのそれと極めて相同性が高い。したがって、特異的なプロ-ブの作成と、in situハイブリダイゼ-ション法の半定量的解析方法の確立にまず着手した。なぜなら、これらの基礎的パラメ-タ-の検討が、研究成果に重要な影響を与えるからであった。オキシトシン前駆体ホルモンをコ-ドするmRNAの全塩基配列から、特異的な部位を選定し、mRNAの5'側と3'側の両者においてこれらに相補的な25ー30merのオリゴヌクレオチドを設計した。設計にあたっては、とくにバソプレシン前駆体ホルモンmRNAとのホモロジ-を有しないように配慮するとともに、他の生体内物質とも有意なホモロジ-を持たないように留意し、GenBankおよびEMBLでのデ-タベ-スを利用してその特異性の確認を行った。合成オリゴヌクレオチドのラベルには、放射性同位元素標識モノヌクレオチドを3'側にtailさせる方法を用い、比活性の高いプロ-ブの作成につとめた。コンピュ-タ-検索と組織切片上での陽性シグナルを検討した結果、約5ー10個のモノヌクレオチドの付加が最も半定量的解析法に適していることが判明した。これらのパラメ-タ-を詳細に分析したのち、標識プロ-ブを用いて、ラットにエストロゲン/プロゲステロン(E_2/P)、オピオイドとそのアンタゴニストであるナロキソン投与を行い、室傍核、視索上核におけるオキシトシンmRNA量の変化を核細胞レベルで検討した。E_2/P投与によっては室傍核においてオキシトシンmRNAの有意な増加が認められたが、ナロキソン投与では変化がみられなかった。これらのことから、エキシトシンニュ-ロンの遺伝子発現は、各神経核、細胞体、終末においてそれぞれ調節されていることが明らかとなった。
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