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1988 年度 実績報告書

条件溶液潅流法による海馬長期増強の形成メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 63570048
研究機関山形大学

研究代表者

加藤 広司  山形大学, 医学部, 教授 (30006746)

研究分担者 伊藤 憲一  山形大学, 医学部, 助手 (40124408)
キーワードモルモット / 海馬スライス / 長期増強 / 条件液潅流 / ネオマイシン / 女郎蜘毒素 / テトロドトキシン
研究概要

モルモット海馬薄切標本(厚さ400μm)を用い、次の実験を行った。海馬CA1領域の錐体細胞層への入力繊維を電気刺激して、細胞外電位(集合電位)を記録し、その振巾を径時的に観察した。条件潅流液としては、グルタミン酸(0.1nM)、K^+(10-15mM)及びMg^<++>-freeの混合液を用いた。
結果:1)5分間条件液を潅流すると集合電位の振巾は徐々に増大し、潅流20分後にコントロールの約207%(14例)に達しその状態を1時間以上持続した。2)条件液潅流によるCA3の影響を除外する目的で、CA3とCA1領域の間にナイフカットを入れて条件液を潅流したが、無傷のスライスと同様の増強現象が記録された。(5例)。3)テトロドトキシン(10^<-6>M)を潅流し、集合電位が完全に消失した2分後から5分間条件液を潅流した結果、潅流20分後でも集合電位は回復しなかった。しかし、刺激強度を強めて集合電位が得られることから、國値の上昇が認められた。(2例)TTXについては、さらに検討忠である。4)PI turner阻害剤のネオマイシン(10^<-3>〜10^<-5>M)を潅流すると、10分後には集合電位はコントロールの約1/5に減少して安定になる。この状態で条件液を5分間潅流したが、集合電位の変化は認められず、条件液による増強現象は阻止された(2例)。5)non-NMDA受容体の拮抗薬である女郎蜘毒素(JSTX:10^<-7>M)を潅流して10分後に、条件液を潅流すると一過程に減少するが、条件液の潅流を終えるとコントロールまで戻り、その後変化は認められなかった(2例)。
以上の結果から、この条件液はCA1錐体細胞に直接作用し、non-NMDA受容体あるいはPI tuenoverを介して長期増強の形成されることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yukitoshi,Izumi;Hiroyoshi,Miyakawa;Ken-ichi;Ito;Hiroshi,Kato: Neuroscience Letters. 83. 201-206 (1987)

  • [文献書誌] 加藤宏司: 神経精神薬理. 9. 855-866 (1987)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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