研究課題/領域番号 |
63570101
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
古川 恭子 東京女子医科大学, 薬理学教室, 講師 (40075495)
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研究分担者 |
村木 篁 東京女子医科大学, 薬理学教室, 教授 (50051446)
野本 照子 東京女子医科大学, 薬理学教室, 教授 (20075154)
入江 かをる 東京女子医科大学, 薬理学教室, 助手 (50075496)
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キーワード | ラット十二指腸 / vasoactive intestinal polypeptide / substance P / neurokinin A / neurokinin B / calction gene-related peptide / 生後発達 / ペプチドの局在 / 平滑筋 |
研究概要 |
〔1〕.ラット十二指腸の神経ペプチドに対する反応性の発育に伴なう変化(1)vasoactive intestinal polypeptide(VIP):VIP(0.2μM)に対し生後1日令十二指腸で8例中3例がわずかの収縮を示したが、日令と共に反応性は増大し、7日令で最大に達した。14日令では、収縮に先行して弛緩反応が出現し、21日令以後は弛緩反応のみを示し、日令と共に増大した。VIPによる収縮はhyoscine、hexamethonium又はtetrodotoxinにより阻止されるので、コリン作動性節前線維刺激の結果、神経終末からACh遊離した結果であり、VIPによる弛緩はguanethidone又はtetrodotoxinにより影響をうけないので、平滑筋に対する直接作用と考えられる。(2)Trachykinin類〔Substance P(SP)・neurokinin A(NKA)及びneurokininB (NKB)〕:SP(0.2μM)に対し、生後1日令から収縮反応が出現し7〜14日令で最大に達し、成熟に至るまでphasic、tonicの2相性の収縮反応を示した。NKA、NKBに対しても類似の反応を示した。これらの収縮はhyoscine、tetrodotoxinの影響を受けないので、モルモット回腸とは異なり、ラット十二指腸のtachykinin類による収縮は主として平滑筋直接作用と考えられる。pD_2値をSP、NKA、NKBの順に示すと、phasic収縮(1週令、8.9、8.9、7.7;3週令、7.6、8.1、7.0;10週令、7.0、7.4、6.3)、tonic収縮(1週令、8.1、8.5、8.0;3週令、7.5、8.4、7.4;10週令、6.7、7.7、7.1)。即ち、SP、NKA、NKBいずれも、又phasic、tonic収縮ともに、1週令でもっとも親和性が高いことを示している。 〔2〕.Calicitonin gone-related peptide(CGRP)の十二指腸内局在の推移:免疫組織化学的にCGRPの分布を調べたが、成熟動物同様1および3週令で筋間神経叢にCGRP陽性線維が密に分布し、筋層に沿った神経線維の走行が認められた。粘膜固有層にもCGRP陽性線維が認められた。コリン作動性神経支配との関連は検討中である。
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