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1989 年度 実績報告書

哺乳動物の細胞内器官ペルオキシソ-ムに存在するフラビン酵素の生理的役割

研究課題

研究課題/領域番号 63570112
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

堀池 喜八郎  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (80089870)

研究分担者 石田 哲夫  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10176191)
キーワードペルオキシソ-ム / フラビン酵素 / Dーアミノ酸オキシダ-ゼ / Dーアスパラギン酸オキシダ-ゼ / Lーαーヒドロキシ酸オキシダ-ゼ / SH基含有化合物
研究概要

1.ニッケルイオンを用いる共役過酸化法によるチアゾリジンー2ーカルボン酸オキシダ-ゼ活性の細胞内分布は、ラットの腎臓・肝臓・脳においてDーアミノ酸オキシダ-ゼの分布と一致した。後者の酵素の拮抗阻害剤(安息香酸)は前者の組織化学的な活性を阻害し、またラット腎臓のホモジネ-トのチアゾリジンー2ーカルボン酸オキシダ-ゼの酵素化学的活性にも拮抗阻害した。阻害定数はDーアラニンやDープロリンに対する値と一致した。これらの結果からチアゾリジンー2ーカルボン酸オキシダ-ゼとDーアミノ酸オキシダ-ゼは同一であることが示された。
2.上記1の共役過酸化法をDーアスパラギン酸オキシダ-ゼ活性の組織化学的検出のために適用した。Dーアミノ酸オキシダ-ゼ活性のない終脳や間脳に本酵素活性が見いだされ、これら二つのオキシダ-ゼの脳内での相補的分布が示唆された。
3.システアミンやシスタミンなどは電気化学的検出による逆相HPLC法で高感度に分析定量されること、また、チアゾリジンー2ーカルボン酸はアミノ酸分析計でプロリンの近傍に溶出されることを確認した。
4.各種SH基含有化合物(ジステアミン・グルタチオン・ジチオスレイト-ル・βーメルカプトエタノ-ルなど)は、血管平滑筋細胞に対して収縮や拡張作用を示し、これら化合物は代謝や細胞応答(Ca^<2+>の動態変化を介するものなど)の調節に関与しうることが明らかになった。
5.システアミンやその酸化型であるシスタミンは、ラット脾臓の膜結合型ホスホリパ-ゼA_2の活性を増大させ、SH化合物はアラキドン酸カスケ-ドの調節に関与しうることが明らかになった。
6.生体における制御機構のうちにはリガンド自己会合によるものがあり、フラビンはこのような例の一つである。今回、フラビンーアルブミン相互作用系の解析からフラビン自己会合機構を明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hideyuki Fujioka: "DithiothreitolーInduced Triphasic Response of Dog Coronary Arteries" Eur.J.Pharmacol.166. 13-22 (1989)

  • [文献書誌] 掘池喜八郎: "フラビン依存性オキシダ-ゼの酵素組織化学" ビタミン. 63. 164-165 (1989)

  • [文献書誌] 石田哲夫: "ビタミンB_2(リボフラビン)" 日本臨牀. 47(増刊). 589-591 (1989)

  • [文献書誌] 藤岡秀行: "各種SH基含有化合物の血管収縮・拡張作用の比較" 生化学. 61. 1097-1097 (1989)

  • [文献書誌] Shigehiro Morikawa: "A Simple and Sensitive Determination for Plasmalogen Lysophosphatidylethanolamine in Rabbit Platelets" Thromb.Res.55. 427-438 (1989)

  • [文献書誌] Tetsuo Ishida: "Interaction of Protein with a SelfーAssociating Ligand:Apparent Negative Cooperativity in the Binding of Flavin to Albumin" J.Biol.Chem.265. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2019-02-28  

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