研究課題/領域番号 |
63570144
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 照男 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (40037396)
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研究分担者 |
下釜 達朗 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (50170999)
吉河 康二 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (80124816)
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キーワード | 動脈硬化 / マクロファージ / 泡沫細胞 / 高コレステロール血症 / 発生病理 |
研究概要 |
動脈硬化の初期病変は内膜における泡沫細胞の出現を特徴としている。特に高コレステロール血症(高コ血症)の下で発生する動脈硬化の発生初期に単球/マクロファージ(Mφ)の内皮細胞への粘着とその内皮下への浸潤がみられることより、泡沫細胞の起源としてMφが有力視されている。我々は抗ウサギMφ単クローン抗体を作成し、ウサギ動脈硬化の発生初期にMφおよびMφ由来泡沫細胞が重要な役割を果していることを明らかにした。昭和63年度の研究では、人の動脈硬化におけるMφの存在様式、また実験的にはMφと内皮細胞の粘着の機序、高コ血症によるMφの機能の変化の有無ともしう有るとすればその動脈硬化発生における影響について特に検討した。〔結果とまとめ〕人の動脈硬化におけるMφの重要な関与が明らかとなった。Mφは小児の肉眼的に正常に見える内膜の時期に内皮下に集簇し始め、細胞質内に脂質を蓄積し、泡沫細胞へと変貌し、動脈硬化の初期病変である脂肪斑の重要な構成細胞であることが種々の単クローン抗体を用いた人剖検大動脈の免疫細胞学的検討により判明した。また、脂肪斑にはMφとともにTリンパ球、とりわけT_8細胞の存在も重要で、両者が密接に相互作用を示しながら肉芽腫的色彩の強い病変発生を促していることが、とくに電顕的観察から明らかになりつつある。実験的にはin vitroの系を用いて、Mφと内皮細胞の粘着は温度と2価の陽イオン(Mg^<++>、Ca^<++>)依存性で、内皮細胞をLDLやVLDLで前処置すると有意に亢進することが判明した。高コ血症下のMφは内皮細胞への粘着能が高く、運動も盛んであることを顕微鏡テレビ装置により明らかにした。MφはMφ走化因子を分泌するが、この機能は高コ血症動物において有意に亢進していた。以上の実験的研究より高コ血症下ではMφと内皮細胞は粘着しやすく、また、Mφの内皮下への侵入が起こりやすいことを示唆していた。
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