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1989 年度 実績報告書

ヒト腫瘍組織における成長因子受容体に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570145
研究機関長崎大学

研究代表者

重松 和人  長崎大学, 医学部, 講師 (20154205)

研究分担者 栗原 正紀  長崎大学, 医学部, 助手 (50161766)
片岡 泰文  長崎大学, 医学部, 講師 (70136513)
丹羽 正美  長崎大学, 医学部, 助教授 (20136641)
キーワードインシュリン様成長因子 / 上皮成長因子 / インシュリン / 受容体 / 副腎腫瘍 / 肺癌
研究概要

前年度の研究で、正常ヒト副腎、肺癌にIGF-I受容体が存在することを証明したが、今回は、副腎腫瘍および肺癌での成長因子発現を詳細に検討した。1)副腎腫瘍:剖検で得られた副腎皮質癌64例、手術で得られた副腎皮質腺腫23例、褐色細胞腫7例を対照に、受容体抗体を用いた免疫組織化学法を展開した。特異的なIGF-I受容体の発現は見い出せなかったが、EGFおよびInsulin受容体の発現は認められた。EGF受容体は、皮質癌の98.4%に、皮質腺腫の43.5%、褐色細胞腫の57.1%に見られ、皮質癌での発現率が有意に高かった。皮質癌の分化度とEGF受容体の占有率との間に有意の相関は認められなかったが、EGFが癌の増殖または転移因子として働いている可能性が示唆された。Insulin受容体では、皮質癌、皮質腺腫および褐色細胞腫との間に、その発現率に関しては有意の差は認められなかったが、クッシング症候群を呈する症例にアルドステロン症を呈する症例より有意に高い発現率が認められたことより、増殖因子としての働きに加えて、Insulinは機能に関係した働きを有することも考えられた。2)肺癌:IGF-I受容体は、正常肺組織には僅んど発現が認められなかったが、扁平上皮癌、小細胞癌にはBmax値が300〜400fmol/mg of proteinのIGF-I受容体の発現が認められた。大細胞癌では低濃度から高濃度のバラツキを示す受容体発現を見たが、腺癌は全例低濃度の発現しか認められなかった。kd値は約1nMで、IGF-IおよびInsulinによるIC_<50>値は、それぞれ、1.84±0.31×10^<-10>M、5.26±0.82×10^<-7>Mであった。一方、IGF-I様免疫活性は、扁平上皮癌で強く、腺癌と大細胞癌は中等度〜弱い活性を示したが、小細胞癌では認められず、受容体の発現と免疫活性の強さとが必ずしも一致しておらず、今後の課題として残る。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takihiro Kamio: "Immunohistochemical expression of epidermal growth factor receptors in human adrenocortical carcinoma" Human Pathology. 21. (1990)

  • [文献書誌] Kazuto Shigematsu: "Partial characterization of insulin-like growth factor I in primary human lung cancers us ing immunohistochemical and receptor artoradiographic techniques" Cancer Research. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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