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1989 年度 実績報告書

ヒト大腸異倍体癌DNAの分子病理学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 63570147
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

浜田 新七  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00172974)

キーワード大腸癌 / DNA aneuploidy / 遺伝子増幅 / ホルマリン固定パラフィン包埋組織 / Kiーras遺伝子
研究概要

ヒト大腸進行癌の約8割がDNA aneuploidyである。一方、腺腫内癌を含めて隆起型早期癌ではaneuploidyの頻度は2〜3割である。著者は、個々の大腸癌症例に見られるaneuploidyの性質と由来、癌進展におけるその意義を追究する一環として、ホルマリン固定パラフィン包埋された同一組織材料を対称としてDNA ploidyとras群遺伝子増幅の同時検索を試みた。昭和63年度は試料作製法の改善と測定精度向上に取り組み安定した結果が得られるようになったので、平成元年度はこの成果を実際の大腸腫瘍に応用した。
大腸癌原発巣14例とリンパ節転移巣3例および大腸腺腫6例のDNA ploidyとras群遺伝子増幅との関連について検索した結果、腺癌原発巣14例中9例とリンパ節転移巣3例がaneuploidであり、3例のaneuploid癌にKiーrasー1偽遺伝子の増幅が認められた。また、腺腫はすべてdiploidであり、増幅はなかった。Kiーrasー2は腺癌と腺腫のいづれにおいても増幅しなかった。癌の進展に伴いaneuploidyが出現する過程で時にKiーrasー1偽遺伝子の増幅が生じることがあってもaneuploidyとKーras群遺伝子増幅との間には明瞭な関係はないと考えられる。
今後の研究計画は、(1)aneuploid癌におけるHーrasならびにNーras遺伝子の検索、(2)腺腫とdiploid癌におけるras遺伝子などの点突然変異の検索、(3)aneuploid癌細胞核をdiploid癌に移入した場合にどの様な変化をきたすかを検索することである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hamada,S.and Fujita,S.: "Problem of size dependence in fluorescence DNA cytometry" Cytometry. 10. 394-401 (1989)

  • [文献書誌] 九嶋亮治、浜田新七、新嵜武,服部隆則,小笠原宏行,児玉正: "胃の表層拡大型分科型腺癌のDNA ploidy patternと上皮成長因子の発現" 医学のあゆみ. 150. 693-694 (1989)

  • [文献書誌] 浜田新七,苗村健治,桂奏,藤田晢也: "ヒト肺上皮細胞のDNA量解析" 京府医大誌. 98. 539-547 (1989)

  • [文献書誌] 服部隆則,浜田新七: "胃炎の病理" 消火器科. 10. 401-407 (1989)

  • [文献書誌] 服部隆則,浜田新七,小笠原宏行: "萎縮性胃炎の発生機序" 臨床科学. 26. 80-86 (1990)

  • [文献書誌] Hamada,S.,Namura,K.,Fujita,S.,Kushima,R.and Hattori,T.: "DNA ploidy and proliferative activity of human pulmonary epithelium" Virchows Arch B[Cell Pathol]. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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