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1989 年度 実績報告書

ヒト網膜芽細胞腫の形態と分化-神経伝達物質代謝酵素、細胞外マトリックスに関する免疫組織化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570157
研究機関山梨医科大学

研究代表者

小林 槇雄  山梨医科大学, 医学部病理, 助教授 (80060086)

研究分担者 沢田 達男  日本大学, 医学部病理, 助教授 (90162544)
田坂 捷雄  山梨医科大学, 医学部免疫・, 助教授 (40093265)
キーワード網膜芽細胞腫 / 細胞外マトリックス / 神経伝達物質代謝酵素 / SDS-PAGE / フィブロネクチン / 分化誘導
研究概要

今年度は、昨年度に継続して細胞外マトリックス(fibronectin,Type IV collagen)の定量的検索を行なった。誘導物質添加後の腫瘍細胞(Y79および初代培養株)及び培養dish内の培地は凍結保存とし、細胞凍結保存器に保存した。凍結保存した培地は濃縮し、90%エタノ-ルと混合して、-20℃で分離、電気泳動緩衝液(20%sodium dedecyl sulfate[SDS],10%glycerol,65mM Tris HClpH6.8,4M urea,Bromphenol blue)に融解して、SDS-polyacrylamide gel electrophoresis(SDS-PAGE)で分子量による抽出を試みた。また、La btek chamber(Miles Co.MN)に培養した細胞系は、分化誘導後、風乾、冷アセトン固定として蛍光抗体方間接方による細胞外マトリックス(フィブロネクチン、4型コラ-ゲン)の局在を検討した。特異血清はいずれも希釈は500:1である。SDS-PAGEによる泳動パタ-ンからは、培地中の分子量480kdのフィブロネクチンが同定され、4型コラ-ゲンに関しては検出は不成功であった。これら細胞外マトリックスの局在のパタ-ンは、フィブロネクチンで線維状或いは瀰慢性に、4型コラ-ゲンは顆粒状に、形質膜に分布していた。本研究をとおして、形態学的に分化の誘導された腫瘍細胞には神経伝達物質代謝酵素(glufamate decarboxylase)の活性増加が確認され、機能的分化の誘導も示唆される。超微形態像で、神経分泌顆粒やシナプス様構造もみられ、神経性腫瘍としての性格が明かとなった。また、培養細胞からの細胞外マトリックス、特にフィブロネクチンの増加は、軸索突起の形成、接着性の増加など細胞骨格の再構成を示唆している。此迄に得られた知見から、網膜芽細胞腫における分化誘導療法の導入にアプロ-チするために、今後さらに検索を継続する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Kobayashi: "Immunocytochemical Evidence of Neuron Specific Enolase(NSE) in Human Adenovirus 12-Induced Retinoblastoma-like Tumor Cells in vitro" Acta Histochem.Cytochem.18. 551-556 (1985)

  • [文献書誌] T.Sawada: "Structural Charasterization of Neovascularization in Adenovirus 12-Induced Retina Tumor" Acta Pathol.Jpn. 37. 457-464 (1987)

  • [文献書誌] 小林槇雄: "網膜芽細胞腫の動物モデル・RB発生母地の解析、分化誘導、ヒトRBとの関係" 医学のあゆみ. 147. 840- (1988)

  • [文献書誌] 小林槇雄: "網膜芽細胞腫におけるレクチン結合パタ-ン" 日本病理学会会誌. 78. 318- (1989)

  • [文献書誌] 沢田達男: "腫瘍新生微小血管の成長解析-免疫組織化学的検索" 日本癌学会総会記事. 214- (1989)

  • [文献書誌] 小林槇雄: "能腫瘍の超微構造 中村三郎編集" 新興医学出版社, 224 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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