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1988 年度 実績報告書

ヌードマウスに移入されたアロT細胞の消長に関する実験病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570161
研究機関京都大学

研究代表者

栗林 景容  京都大学, 医学部, 助手 (10064578)

キーワードGVH反応 / キメラ / 移植抗原 / T細胞 / トレランス / ヌードマウス
研究概要

ドナーとして(B10.Thy-1.1×B10.D2)F_1及び(BALB.B×B10Thy-1.1)F_1マウスの2系統を準備し夫々とminor及びmajor移植抗原の異なる(BALB/c×C57BL/6)F_1ヌードマウスをレシピアントとしてGVH反応を誘導しその差異を検討した。majorな移植抗原系の異なる(BALB.B×B10.Thy-1.1)F_1→CB6F_1ーnu/nuに誘導されるGVHDでは細胞移入8〜11日後に脾腫がみられ、この時ドナー由来のT細胞が増殖し約50%に達していたが以後著減し3週後にはドナー由来T細胞は消失した。またレシピアントマウスは細胞移入後60日までに約50%がGVHD症状にて死亡したが、それ以降に死亡するマウスは少く約40%が長期生存(6ケ月以上)であった。これらのマウスではドナー由来のT細胞は完全に排除され、脾細胞ではLPSに対するB細胞反応のみ観察された。他方minor移植抗原系の(B10.Thy-1.1×B10.D2)F_1→CB6F_1-nu/nuで誘導されるGVHDでは上記の系と同時期に脾腫が観察されるが、ドナーT細胞が強く増殖することもなく全経過を通して脾細胞のうち約5%がドナー由来である。この系ではGVH病にてマウスが死亡することはなく全例1年以上生存する。脾腫のみられる期間のみマイトジェンに対するT及びB細胞の反応性は低下、消失しているが以後は回復し、コントロールと同程度の反応性を示した。T細胞反応性はThy-1.1陽性のドナーT細胞によるものであった。この長期生存マウスに残存するドナーT細胞はPopliteal lymph wode assayでみる限りレシピアント(CB6F_1-nu/nu)に対する反応性は低下〔消失ではない〕していたが、third partyであるDBA/2などに対する反応性は完全に保持されていた。更にこれらの長期生存マウスは外見上健康であり、chronic GVHDの徴候は全くみられなかった。以上の事実はこの系に何等かの抑制機構が作用し一種のキメリズムが成立していることを示唆する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kagemasa Kuribayashi: Transplantation. 46. 267 (1988)

  • [文献書誌] Yuji Matsubayashi: Transplantation Proc.(1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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