1.大腸菌 E112株に^3H-酢酸を取り込ませLPSの脂肪酸部分を特異的に^3H-標識したS型及びR型LPSを生合成し、これを分離精製した。又、サルモネラ菌(S.anatum A_1 epi 14株)に^3H-galactoseを取り込ませLPSの糖部分を標識したS型^3H-LPSを作成した。2.LPS調製に用いたのと同じ大腸菌のホルマリン処理菌体を用いて兎の抗血清を作成した。3.ヒト血漿より容度重層遠心法によってLDLを分離した。LDLに無水酢酸を作用させ、Acetyl-LDLを合成した。4.ウイスタ-系成熟雄ラット肝1ヶより1〜2×10^7ケのクッパ-細胞を無菌的に単離し、無血清培養液中で最長2週間迄培養出来る系を確立した。5.単離後24時間培養したクッパ-細胞はS型R型いずれのLPSも取り込み、これらを脱Acyl化した。6.新鮮な牛血液から好中球を単離した。好中球はS型R型のLPSを取り込み脱Acyl化した。S型LPSの好中球への取り込みは兎抗LPS産生商抗血清が共存すると著るくし高まった。7.マウス腹腔マクロファ-ジのLPS取り込みはS型R型いずれのLPSの場合にもAcetyl-LDLが共存すると著明に高まった。8.LDLにもLPS取り込み増加作用はあったが、その作用はAcetyl-LDLの効果よりも少なかった。9.モルモット中耳腔内に^3H-サルモネラ菌体、菌体外膜、LPSを注入し、腔内の滲出細胞を経時的に放射能の動行を調べると共に滲出細胞をオ-トラジオグラフィ-で追跡した。10.この結果菌体注入後には初期に好中球が、つづいてマクロファ-ジが出現し、それらの細胞中には菌体が取り込まれていた。11.菌体外膜の場合には主としてマクロファ-ジに取り込まれた。12.^3H-LPSを注入した場合には好中球、つづいてマクロファ-ジが滲出して来るもののLPSは好中球にはほとんど取り込まれず、マクロファ-ジ中にもごく少量取り込まれていたのみであった。
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