研究課題/領域番号 |
63570200
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
川上 正也 北里大学, 医学部, 教授 (50050349)
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研究分担者 |
小野 雅夫 北里大学, 医学部, 講師 (40050645)
猪原 節之介 北里大学, 医学部, 講師 (90101295)
久下 周佐 北里大学, 医学部, 助手 (50186376)
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キーワード | 殺菌因子 / 蛋白構造 / 遺伝子構造 / 系統発生 / 補体Cl / セリンプロテアーゼ |
研究概要 |
1.マウスRaRFの機能と構造 (1) 機能: マウスのRaRFは、補体成分C1と同様に、C4とC2を直接活性化することが、Ra菌LPS結合赤血球を用いた溶血実験によって明らかになった。また、RaRFは、C1と同様に、血液中では未活性型として存在しているが、それがRa菌多糖体と結合すると活性型になり、C4等を活性化しうるようになることも解った。 (2) 構造と主要成分: マウスRaRFの主要成分であるP28a、P28bポリペプチドの一次構造を、クローニングされたcDNAから決定した。それは、C1の亜成分C1qとドメイン構造が似ていると同時に、動物レクチンに特徴的なアミノ酸配列をもっていた。 (3) プロテアーゼの存在: RaRFには、これらのポリペプチドの他に、C1s様のセリンプロテアーゼを含む複合体であった。 2.その他の哺乳動物のRaRF ラットRaRFもP28a、P28bポリペプチドを含んでおり、マウスRaRFと同様に、C4とC2を直接活性化した。 これに対し、ヒト、ウサギ、モルモットでは、P30を含んでいた。 3.カエルRaRF 両棲類に属するウシガエルのRaRFが部分精製された。これは他動物のRaRFと同様に補体(ことに同種補体)を活性化した。 また、部分精製画分は、P30ポリペプチドを含んでいた。P30に相当するcDNAをクローニングし、アミノ酸配列を推定した。それはマウスのP28a、P28bと50%近い配列類似性をもっていて、動物レクチンとClqの特徴をかね具えていた。 これらのことから、哺乳類の種間のみならず両棲類にも、機能および構造の上で極めてよく似たRaRFがあると考えられる。
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