研究概要 |
1.マウスRaRFの構成ポリペプチド マウスのRaRFは、P28a,P28bポリペプチドの他に分子量100kのセリンプロテア-ゼP100から成っており、このプロテア-ゼは、マウス補体C1に含まれるC1s様プロテア-ゼとはそのサイズ、アミノ酸配列および合成基質に対する特異性が異ることがわかった。(日細誌43:342-343,198、第26回補体シンポジウム1989、13th Internat.Complement Workshop,1989) 2.P28a,P28bのアミノ酸配列 マウスRaRFのP28aおよびP28bの一次構造が明らかになった。これらのポリペプチドはG1y-X-Yの繰返し配列をもつ点で補体C1q亜成分と似ているが、他の領域のアミノ酸配列にはC1qとの相似は認められず、動物レクチンに共通の配列を持っていた。(生化学59:692,1987;日細誌43:344-345,1988) 3.鳥類、両棲類のRaRF構造 ニワトリおよびウシガエルのRaRFは、哺乳類RaRFと同様の補体活性化機能が認められ、ウシガエルのRaRFには、ウサギと同様に、分子量30kのポリペプチドが存在していた。このポリペプチドの一部のアミノ酸配列はマウスのP28bと類似していた(生化学61:482-486,1989)。 以上の結果から、マウスのRaRFは補体成分C1と、多糖体に結合するレクチンの性質と構造を兼ね備えているかとが解り、下等脊椎動物のRaRFも、哺乳動物のものと類似の性質と構造を持つと推定された。
|