研究課題/領域番号 |
63570203
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
小澤 敦 東海大学, 医学部, 教授 (50055638)
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研究分担者 |
渡辺 慶一 東海大学, 医学部, 教授 (00055865)
大西 信彦 東海大学, 医学部, 助手 (30051717)
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キーワード | 肉芽腫 / 内在性ペルオキシダ-ゼ / ス-パ-オキサイド / Kupffer細胞 / 粗面小胞体 / 顆粒球 / 無菌マウス / 前単球 |
研究概要 |
無菌マウス,普通マウスにネズミチフス菌を皮下感染した場合において、肝における肉芽腫形成は普通マウス感染群では、無菌マウス感染群に比し著明に抑制された。そして我々は、肉芽腫構成細胞の細胞化学的立場からの電顕的解析の結果、無菌マウス感染群における肝の肉芽腫構成細胞は、内在性ペルオキシダ-ゼ(EPO)局在が核膜周囲、粗面小胞体(rER)、ゴルジ装置及びアヅ-ル顆粒にみられる前単球によって占められていた。普通マウス感染群の肉芽腫構成細胞の主体は、rERや核膜周囲にEPOの局在のみられるクツパ-(Kupffer)細胞であるという成績が示された。個内系組織を主舞台とするネズミチフス菌のマウスにおける全身感染病においては、クッパ-細胞の役割はその感染防御効果を論ずる上にきわめて重要であり、得られた成績は、腸内フロ-ラガクッパ-細胞の量的制御に関与していることを示唆している。 一方無菌マウス感染群における末梢血顆粒球及び腹腔細胞の食殺菌時の反応性には、ミエロペルオキシタ-ゼの関与するOcl^ーによるものが主役を演じていた。また、普通マウス感染群における顆粒球及び腹腔細胞の食殺菌時における反応性には、O_2^ー(ス-パ-オキサイドアニオン)によるものが中心的役割を果していることが示唆された。このことは、腸内フロ-ラの存否による食細胞の反応性の量的、質的相違点を解析する上に、又O_2^ー産生と細胞性免疫活性という問題の相互関係を探求する上に、きわめて重要な研究の足掛りを提供するものである。
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