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1990 年度 実績報告書

超低周波空気振動の前庭機能に及ぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570237
研究機関三重大学

研究代表者

坂本 弘  三重大学, 医学部, 教授 (40024674)

研究分担者 村田 真理子  三重大学, 医学部, 助手 (10171141)
滝川 寛  三重大学, 医学部, 助教授 (80126979)
キーワード超低周波空気振動 / 前庭機能 / 身体動揺 / 固視動揺 / 指尖脈波 / 曝露感覚 / 自覚症状
研究概要

本研究は超低周波空気振動を含む種々な音響に曝露された人々の一部から提起される病的自覚症状の病態生理的解明をおこなうことを目的としておこなった。中心周波数5Hzまたは15Hzの狭帯域超低周波空気振動を95dBで、100ー10,000Hzの広帯域騒音を70または95dB(A)でそれぞれ別途に曝露した。各種音響の曝露順序は無作為に割付けた。前庭機能を前庭ー眼球反射、ー脊髄反射、およびー自律神経反射の3側面より検討した。
眼球固視動揺の動揺量および動揺の低周波帯域成分割合は超低周波空気振動曝露により増大したが騒音曝露によっては変化がみられなかった。被験者が開眼から閉眼に移行する時点に姿勢制御の一時的混乱が生じ、身体動揺が増大する。この混乱に対し超低周波空気振動曝露は抑制的に影響したが、騒音曝露によって影響がみられなかった。これに対して、脈波波高はいづれの音響曝露によっても低下した。しかし、騒音曝露に比して超低周波空気振動曝露では波高低下の度合いが小であった。
超低周波空気振動曝露に対する感覚認知は15Hz曝露では68名中62名の被験者が何らかの曝露感があった。しかし、5Hzのそれでは全員が何も感知しなかった。また、両超低周波空気振動曝露共に病的自覚症状の発現はなかった。
以上の成績から次の2点を要約し得た。すなわち、超低周波空気振動を含む騒音曝露に伴う自覚症状の発現には異なった2つの経路が混在していることが明らかとなった。また、超低周波空気振動曝露による前庭機能変化は曝露によって生ずる聴感覚を介しての情動とは関連が認められなかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takigawa H.: "Effects of infrasound on human body sway." J.Low Frequency Noise and Vibration.7. 66-73 (1988)

  • [文献書誌] 川出 富貴子: "眼球の固視動揺に対する低周波空気振動曝露の影響に関する研究" 三重医学. 33. 317-327 (1989)

  • [文献書誌] 小西 美智子: "可聴音および超低周波空気振動曝露の指尖光電脈波への影響に関する研究" 三重医学. 33. 481-496 (1989)

  • [文献書誌] Takigawa,H.: "Effects of infrasound on involuntary eye movement during fixation." J.Low Frequency Noise and Vibration.8. 130-133 (1989)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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