研究課題
健康増進センターを訪れた地域住民を対象にして、運動習慣の実体について調査した。対象は、1985年、1986年に鳥取県西部健康増進センターの健康診査を受診した879人とした。対象者の年齢構成は、20〜39歳では男性182人、女性140人、40〜59歳では男性165人、女性176人、60〜79歳では男性99人、女性117人であった。運動習慣あるいは男性で30.4%、女性19.5%であった。年齢別では、20〜39歳で男性34.3%、女性23.2%、40〜59歳では男性16.8%、女性15.5%であり、60〜79歳で男性45.5%、女性21.1%であった。40〜59歳で運動習慣のある人が少ないという傾向がうかがわれた。男女を比較すると男性のほうが運動習慣のある人が多いようであった。運動強度については高齢になるほど低くなる傾向があった。運動回数は20〜39歳では週1〜2回が多く、40〜59歳は週1回と週5回の2峰性を示し、60〜79歳では毎日行う人が最も多かった。1回の運動時間は、20〜39歳では120分以上が多く、40〜59歳では60分前後であり、60〜79歳では30分以内の人が多く、高齢になるほど短くなる傾向があった。運動習慣のある人とない人について、生活習慣、体力、医学的検査値の比較を行った。運動習慣のある人は禁煙を控える傾向にあった。男性においては、運動習慣のある人は、血中HDLコレステロール値が高く、中性脂肪が低かった。また、体脂肪は低く、体力測定の平均値も高かった。運動習慣のある人とない人の生命予後の比較は来年度行う。