研究課題
一般研究(C)
調査対象者は昭和50年8月から昭和54年1月の間の鳥取県の健康増進センタ-の来所者で、20〜60歳代7359人(男2802名、女4557名)とした。質問により対象者を運動習慣のある群と運動習慣のない群(非運動群)に分けた。この2群の対象者について昭和50年8月から昭和60年7月までの死亡デ-タと照合して、対象者中の死亡を調査した。死亡状況を観察するため、観査人年法により、性、観察開始年齢、観察期間を考慮し、運動群の非運動群に対する年齢訂正死亡比を求めた。対象者の性別年齢階級別分布は男性では40歳代と50歳代が多く、女性でも同様の傾向であった。年代別の運動習慣のある人の率は男性では20歳代と30歳代で20%以上であったが、中高年の40歳代〜60歳代では20%以下と減少していた。女性は男性に比較して運動習慣のある人の率は低く40歳代〜60歳代では10%以下であった。観察期間中の死亡者総数は152人であった。運動群では13人、非運動群では139人であった。死亡原因では悪性新生物が最も多く、全体の50%であった。脳血管疾患は16.4%、心疾患は18.8%であった。運動群の期待死亡数は、男性で16.16、女性で4.45であり、観察死亡数は男性で11、女性で2であった。運動群の非運動群に対する死亡比は男性で0.68、女性で0.45であった。今回の研究では健康増進センタ-の来所者を対象者とした。この健康増進センタ-の来所者は鳥取県一般人口の死亡に比較するとSMRは男0.48、女0.42、合計0.46であり半分以下の死亡確率であると報告されている。この集団は比較的健康な集団と考えられ、健康集団の中の運動習慣の影響の差をみるために適しているのが特徴であり、この集団を運動習慣のある群と運動習慣のない群に分け、10年間の観察により死亡比を求めた。運動群は非運動群に比較して男性では3割、女性では5割死亡が少ないという結果を得た。
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