研究概要 |
【目的】 輸血を介して感染する肝炎ウィルス(HBV、HCV等)から慢性肝炎・肝硬変・肝がんへの自然史の研究、当該疾病のリスクの評価、環境中の関連要因・プロモ-タ-の究明、肝硬変・肝がんの1次予防・2次予防の可能性の研究等を目的する。 【対象と方法及び結果】 1.輸血後肝炎の自然史の研究と残胃初発がんのリスクの再検証のために、胃切除の際に輸血を受けた患者の長期追跡研究を行っている。献血制度が開始された昭和30年代後半以前に、九州大学病院と関連医療施設で胃切除の際に輸血を受けた患者について、個人識別情報、手術年月日、手術術式、輸血量、喫煙、飲酒量等の情報を入手した。これまでに約3,800例の症例を収集し、生死の確認と死亡診断書の照会・入手を行った。現在結果の集計を行っている。 2.その他の関連研究として、 (1).献血者集団における昭和52年から63年までのHBsAgの年次推移を観察して、性差(男>女)、HBVキャリアであることにセレクションと年齢別陽性率への影響、誕生コホ-トの影響、HBVキャリアへの告知の影響等を明らかにした。 (2).献血者集団におけるHBVとHTLVー1の重複感染の研究も行った。
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