研究課題/領域番号 |
63570258
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
斎藤 寛 長崎大学, 医学部, 教授 (80004901)
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研究分担者 |
山本 勇次 活水女子大学, 文学部, 助教授 (50114806)
岩田 孝吉 長崎大学, 医学部, 助手 (30203384)
守山 正樹 長崎大学, 医学部, 助教授 (10145229)
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キーワード | 飲酒・喫煙行動 / 社会的ストレス / 炭鉱労働者 / 断酒者 / 健康情報伝達支援システム / 顔グラフ |
研究概要 |
飲酒・喫煙行動とストレスの関連に関する実態を把握するために、聞き取り調査を行ない、さらに無理なく節煙・節酒へ誘導するためのプログラム作成について基礎的な検討を開始した。 1.聞き取り調査:強度の社会的なストレスにさらされた集団として長崎の離島・高島を取り上げ、男子110名、女子170名について、飲酒・喫煙歴、飲酒・喫煙量、酒やタバコに対する態度、等を面接して調査した。比較集団として、長崎市に在住のサラリーマン世帯を取り上げ、100名について同様の聞き取りを行なった。聴取したデータについては、下の三つの視点から分析した。:すなわち、(1)長崎市のサラリーマン家庭と炭鉱家庭との比較、(2)高島における炭鉱労働者家庭と非炭鉱労働者家庭の比較、(3)高島における男女の比較。これまでに得られた結果は以下の2点であ:すなわち(1)長崎市に比較して、高島では酒への意識では性差が明らかでない一方で、実際の酒の飲み方には性差が著しく、女は殆ど飲まないのに比較して、男は多量に飲む傾向が認められる、(2)炭鉱労働者では酒への寛容度が非炭鉱労働者よりも高い。 2.断酒者についての事例研究:高島の断酒者5名を選び、ライフヒストリーを聴取した後に、断酒状況を追跡中である。飲酒の開始と断酒とが、個人における生きがいの喪失、およびその回復と強い関連を持っていることが示唆されている。 3.無理なく節煙・節酒へ誘導するためには、まず住民自身が自己の飲酒・喫煙の程度を冷静に認識した上で、それが引き起こされた状況についても自己認識を深める必要がある。そうして自己認識を支援することを目的として、健康情報伝達支援システムを開発し、個人の飲酒・喫煙量を情緒に訴える効果の強い人間の顔の造作として表現する試みを開始した。
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