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1988 年度 実績報告書

火山活動による大気汚染の疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570259
研究機関鹿児島大学

研究代表者

脇阪 一郎  鹿児島大学, 医学部, 教授 (90041269)

研究分担者 安藤 哲夫  鹿児島大学, 医学部, 助手 (10107865)
泊 惇  鹿児島大学, 医学部, 助手 (00136855)
柳橋 次雄  鹿児島大学, 医学部, 助教授 (40124854)
キーワード火山性大気汚染 / 呼吸器疾患 / 死亡像 / 時系列解析
研究概要

桜島の南側山麓に位置する鹿児島市の地域(桜島地域)を他の鹿児島市の地域(鹿児島地域)から分け、昭和55年から61年まで7年間にわたる呼吸器系疾患の死亡数を調べて性年令補正死亡率を求め、両地域を比較した。また、両地域を合わせた鹿児島市全域で呼吸器系疾患の月別死亡数の変動パターンについて、時系列分析の一つであるusセンサス局法の加法モデルを用いて解析し、季節成分と不規則成分について検討を試みた。これらの研究の結果、大要次の如き結果が得られた。
(1)喘息・気管支炎・肺気腫等の非感染性慢性呼吸器疾患の年令補正死亡率は桜島地域の方が鹿児島地域よりも高く、標準化死亡比(SMR)は前者では2.55、後者では1.65であった。これに対して、感染性呼吸器疾患である肺炎の死亡率は桜島地域の方が鹿児島地域よりもむしろ低かった。
(2)月別の呼吸器系疾患死亡数の変動を7年間の時系列とみなすと、1年(12ケ月)を周期として冬期の1月或いは2月に最大値を持つ安定した季節性を示したが、その外にも、殆どの年で8月と9月にもピークが見られた。
(3)相関分析の結果、季節成分値に関して呼吸器系疾患の月別死亡と月別の亜硫酸ガス濃度の間に有意相関があった。これに対して、浮遊粉塵の季節変動には安定した季節性が見られず、季節成分値で表した呼吸器系疾患の死亡数とはむしろ逆相関が見られた。また、不規則成分値の月別変動に関しては、呼吸器系疾患死亡と亜硫酸ガス或いは浮遊粉塵濃度の間に有意相関は見られなかった。
以上のことから、気象要素を抜きにしては確たることは言えないが、火山性大気汚染地域における呼吸器系疾患死亡の季節変動は、浮遊粉塵よりも亜硫酸ガスへの暴露レベルによってわずかながらも影響をうけている可能性が疑われた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 脇阪一郎、柳橋次雄、泊敦、佐藤裕美、波多野浩道、: 日本公衆衛生雑誌.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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