研究概要 |
1.TNFの測定系についてはELISA及びRadio-immuno assay法を確立し、アメリカ癌学会及び国際内分泌学会において発表した。invicroの系においてはビタミD_3がTNFの生産に抑制的に働くことがわかった。またbio assayに比べ、ELISA及びRadioimmuno assay法は感度がそれ程よくないということがわかった。これは用いたモノクロナール抗体によるのかもしれない。 2.癌患者単球のモノカイン産生に関してcytostaticなものとcytotoxicなものとがあることが知られているが、cytotoxicな作用は抗TNFモノクロナール抗体でブロックできるが、cytostaticな作用はブロックできなかった。このことは、癌患者単球がTNF以外のサイトカインを産生していることを示唆している。これらのことは日本癌学会総会において発表した。 3.TNFはエンドトキシンショックとの関連が注目され、エンドトキシンションクの最終的なメディエイターではないかと考えられている。われわれは、実験的モデルを用いて抗TNF抗体がエンドトキシンショックを防止できることを報告した。(Immunology Letters,17:311-318,1988) 4.Biological immune molifierとしてTNFが細胞障害活性を増強することを観察している。このことはまた免疫学的機序が発症に関与している疾患のTNFの位置付けを知るうえで非常に興味深いことと考えられる。また、TNFの産生に抑制的に働く物質あるいは促進的に働く物質を今後決定し、抗TNFモノクロナール抗体を用いて、発症にどのように関係しているかを検討していく。
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