研究課題/領域番号 |
63570294
|
研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
嶋本 義範 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (40150411)
|
研究分担者 |
松崎 美和子 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (80190445)
小野 和俊 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (50185633)
佐野 雅之 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30145198)
|
キーワード | 腫瘍壊死因子 / モノクロナ-ル抗体 / 癌 |
研究概要 |
1.6種類のhuman recombinant tumor necrosis factorに対するマウスモノクロナ-ル抗体を作製した。免疫沈降活性を6種が示し、3種は中和活性を示した。これらの抗体の中和能の特異性は高かったが、免疫沈降活性では、リンホトキシンに対して軽度認められた。これはTNFとLTの構造のhomologyによると考えられた。 2.TNFの測定系について、Bioassayのほかに、ELISA及びRadioーimmunoassay法を確立した。 3.In vitroの系においてビタミンD3がTNFの産生に抑制的に働くことがわかった。 4.実験的モデルにおいて抗TNFモノクロナ-ル抗体がエンドトキシンショックを防止できることがわかった。これは中和能のある抗体では認められたが、中和能のない抗体では認められなかった。 5.TNFが細胞障害活性の増強をひきおこすことを、抗TNFモノクロナ-ル抗体で示した。これは、TNFが実験的アレルギ-性脳脊髄膜炎の発症及び症状を増悪することに関係していると思われる。抗TNFモノクロナ-ル抗体がアレルギ-性能脊髄膜炎を防止できるかどうか興味ある問題である。 6.TNFが脂肪細胞培養系において細胞の形態学的変化をおこすことがわかった。これは中和能を有する抗TNF抗体でブロックされた。 7.胃癌および大腸癌患者の末梢血単球をOKー432で刺激することにより、cytotoxinの産生がおこった。この活性には、cytostaticな活性とcytotoxicな活性がある。健康人からOKー432で刺激された単球から産生されるcytotoxicな活性は抗TNFモノクロナ-ル抗体ですべて消失するが、癌患者からの活性はこの抗体では抑制されなかった。
|