研究課題/領域番号 |
63570305
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
堀内 篤 , 医学部・第三内科, 教授 (30088538)
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研究分担者 |
佐藤 充重 , 医学部・第三内科, 助手
末吉 章浩 , 医学部・第三内科, 助手 (60171112)
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キーワード | 担癌マウス脾細胞 / 同系骨髄移植 / IL-3 / IL-6 / 骨髄幹細胞 / 腫瘍増殖抑制因子 |
研究概要 |
骨髄移植後の担癌マウスの末梢血リンパ球と正常マウスの末梢血リンパ球によるautologous mixed lymphocyte reactionは、移植後経時的に増強した。このときの末梢血リンパ球中には、抗L3T4抗体陽性細胞は予想された程には検出されなかった。このため、抗L3T4抗体陽性細胞の増殖の場は脾臓内ではないかと推定した。そして移植マウスの脾細胞について検討した。しかし、脾臓非付着細胞の^<51>Crの取りこみは上昇したものの、抗L3T4抗体陽性細胞は検出されなかった。そこで、この移植マウス脾細胞の^<51>Crの取りこみの上昇について検討した。 脾臓非付着細胞、腫瘍細胞、骨髄非付着細胞を混合培養して^<51>Crの取りこみを測定したところ、上昇が認められた。この混合培養後の上清中の因子を検討すると、IL-3、IL-6が含まれていることが判明した。これらの因子を含む上清を用いて骨髄非付着細胞をさらに培養し、その上清を採取した。この上清を腫瘍細胞培養中に添加すると、腫瘍細胞の増殖が抑制されることを見出した。このことは、骨髄幹細胞にIL-3やIL-6が作用することによって、幹細胞から腫瘍細胞の増殖を抑制する因子が分泌されていることが推定された。従って、担癌マウスに同系骨髄細胞を移植すると、その脾臓内で移植された骨髄細胞からこの因子が分泌され、担癌マウスの腫瘍が抑制されるのではないかと考えられた。
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