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1988 年度 実績報告書

血中胆汁酸測定による「吸収不良」及び「腸内細胞過剰増殖」の鑑別診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 63570308
研究機関筑波大学

研究代表者

大菅 俊明  筑波大学, 臨床医学系, 教授 (20010481)

キーワード血清胆汁酸分画 / 経口胆汁酸負荷試験 / 腸内細菌過剰発育症候群 / 吸収不良症候群 / 鑑別診断
研究概要

血液中(末梢血)胆汁酸の濃度と分画プロフィルは腸管からの胆汁酸再吸収と門脉経由胆汁酸の肝における摂取という二つの因子によって決定される。したがって腸疾患の病態は血清胆汁酸のプロフィルに反映される。従来、諸種腸疾患の病態を血液生化学的に判断する検査法はなかった。そこで私たちは次の仮説をたてた。「もし腸内細菌過剰症候群が存在すれば腸管内において胆汁酸の脱抱合、脱7α-OHのため、血中に遊離型、および二次胆汁酸が増加する。一方、吸収不良症候群が存在すればUrso-deoxycholic acid経口負荷時の血中胆汁酸曲線は平低になる。」
(1) 血中胆汁酸分画:血清0.5mlをSep-PakC18にて抽出、リポ親和性カラムにより各分画に別け、HPLCにて測定した。健常12例、諸種腸疾患50例。健常例に比しstagnant loos syndrome(5例)。大量腸切除(4例)などでいずれも遊離型が最高82%(正常29.3±5.3%)にまで上昇していた。また分画では主としてdeoxycholic acid(タウリン、グリシン、遊離型)が62%に及ぶ増加を示していた。
(2)胆汁酸経口負荷試験:8例(広汎腸管切除、クローン病、他)において、ursodeoxycholic acid 300mg 経口負荷后の血中曲線のAUCは健常例に比較して減少していた。UDCA負荷試験はシリングテストと平行したので、本試験は吸収試験として利用できる。
以上1)2)の成績を分析した結果、諸種腸疾患は次の4型に分類できた。〈一〉型は1)2)ともに正常な例(細菌過剰発育なく、吸収不良ない)〈2〉型、1)異常で2)正常な例(過剰発育あり、吸収不良なし)〈3〉型は1)正常で2)異常例(過剰発育なく、吸収不良あるもの)〈4〉型は1)2)ともに異常な例(過剰発育、吸収不良ともにあり)、〈1〉型2例、〈2〉型3例、〈3〉型5例、〈4〉型3例であった。結論として血中胆汁酸分画測定とUDCA負荷試験の組み合わせによって、細菌過剰発育症候群と吸収不良症候群は鑑別診断出来る。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松崎靖司,大菅俊明,井廻道夫,正田純一,三田村圭二,小沢邦寿: 日本消化器病学会雑誌. 82. 82-87 (1985)

  • [文献書誌] 大菅俊明: 第8回、肝臓シンポジウム記録集(肝疾患研究の進歩V). (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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