研究課題/領域番号 |
63570314
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
太田 裕彦 東京大学, 医学部, 助手 (60124666)
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研究分担者 |
持田 智 東京大学, 医学部, 医員
佐藤 譲 東京大学, 医学部, 医員 (00158940)
山田 真和 東京大学, 医学部, 医員 (60143426)
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キーワード | 線維肝 / コラゲン / 肝マクロファージ |
研究概要 |
肝線維化過程におけるマクロファージ(Mφ)の関与が注目されているが、in vitro実験からの推定であり、確証はない。in vitroでこれを確かめる目的で実験し、以下の結果を得た。 1.in vitro実験 (1)Fisher系雄性ラットにDMN腹腔内投与し、屠殺6時間前に^<14>Cprolineを腹腔内投与、摘出肝の高分子分画およびヒドロキシプロリン中のカウントを蛋白合成能、コラゲン合成能として測定した。蛋白合成能は、肝壊死のピークと一致して3日目に最高値に達し、以後、低下した。コラゲン合成能は7日目に増した。コラゲンmRNAをコラゲンcDNAをプローブとしてnorthen hybridizationにて測定すると、I、III型ともにコラゲン合成能の変動に一致して増加した。 (2)上記モデルに、アラビアゴム(腹腔内)又は死菌(静脈内)投与すると、両モデルとも肝の蛋白合成能は不変であったが、コラゲン合成能は前者では低下、後者では促進された。光顕では、前者で、小葉中心部の線維化が著明に抑制され、その部に腫大したMφの集簇像がみられたのに対し、後者では、肉芽腫形成とともに小葉中心部の線維化は著明になり、小型のMφの動員も顕著であった。 (3)PMA刺激下にNBTを灌流し、in situでMφの活性状態を知る方法を開発した。上記モデルでこれを試み、前者ではMφの活性抑制、後者で亢進を観察した。 2.in vitro実験 肝線維芽細胞と上記モデルから単離したMφを混合培養した。コラゲン合成能は、前者で増加、後者では低下した。培養液中のインターロイキンIIは両モデル間に差はなかった。in vitroと反対のこの結果は、培養条件など技術的な問題による可能性もあり、現在、検討中である。
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